社会人の方であれば、PDCA(Plan-Do-Check-Act、計画-実行-評価-改善)サイクルと言う言葉を、一度は聞いたことあると思います。
ビジネスの世界では、意識しているかどうかに関係なく、結局のところPDCAサイクルを用いてビジネス活動を行っていることが多いと感じます。
例えば、企業全体で考えた場合、年度計画を立案し、その計画に沿って業務をし、四半期や半期、事業年度末前後に決算と言う名の事業の振り返りを実施し、必要があれば修正や改善を実施しています。
PDCAサイクルはP(計画)から始まりますが、データ分析側から見るとC(評価)から始まります。
どういうことでしょうか。
今回は、「データ分析はPDCAの『Check』(評価)から始まる」というお話しをします。
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PDCAサイクルの例をあげればきりがありません
十分に機能しているかどうかはさておき、PDCAサイクルを回している企業やビジネス活動などは、多いことでしょう。
事業レベルのPDCAサイクルは、どんなに小さな企業であったとしても、実施していることでしょう。
仮に、事業計画などが明示化されていなかったり、振り返りのための評価をきちんとできていなかったりしても、なんとなくPDCAサイクルを回しているケースが多いように感じます。
例えば、経営者やマネジャーなどの頭の中でなんとなく計画を立てながら実行し、大丈夫かなと思いながら頭の中で振り返り微修正しながら、ビジネスをしている企業も多いと思います。
要するに、どんな企業であっても、結果的にPDCAサイクル的な動きをしている企業が多いということです。
結局のところPDCAサイクルの中でビジネス活動を行っている
それなりの規模の企業の場合、各事業部や各部、各課、各グループなどの各部署で何かしらPDCAサイクルを回している企業も少なくありません。
末端の社員にもPDCAサイクルを回すことを、当然の習慣として強いている企業もあります。生産現場の改善活動などでは、このPDCAサイクルが奨励されているぐらいです。
しかも、PDCAサイクルそのものよりも、PDCAサイクルの付帯業務として発生する日報・週報・月報などで苦しんでいる人も多いです。
週報ですと、PDCAサイクルに関するレポートを毎週メールなどで共有する、という感じです。
ここでは、このPDCAサイクルが良いとか悪いとかという議論をするつもりはありません。ここで言いたいのは、結局のところビジネス現場ではPDCAサイクルで動いているので、データ分析・活用の場面もPDCAサイクルで考えよう、ということです。
データ分析・活用の場面は「Check」と「Plan」
販促活動の場合……
例えば、販促活動を実施している部署があったとします。
彼ら・彼女らの仕事は、販促計画の立案と販促活動の実施、その実施した結果の振り返り評価、問題があれば改善する、という流れになることでしょう。
このPDCAサイクルの中のどこかで、データ分析・活用のテーマが眠っています。
多くの場合、それは次の2つのどこかです。
- Plan(計画)
- Check(評価)
この例ですと、販促計画を立案するときにデータ分析の力を利用するか、販促を実施した結果を評価するときにデータ分析の力を利用するのか、ということです。
「Plan」(計画)での例
販促計画を立案するときにデータ分析の力を利用する例の説明です。
最もコストパフォーマンスのいい販促媒体の組み合わせをデータ分析で導き出し、その分析結果をもとに、どのような販促を実施するのかを考えようとするものがあります。
mROI(Marketing Return On Investment)最大化問題と言われているもので、昔からあるデータ分析・活用のテーマの1つです。
「Check」(評価)での例
販促を実施した結果を評価するときにデータ分析の力を利用する例の説明です。
どの販促媒体がどの程度売上に貢献したのかをデータ分析で導き出し、その分析結果をもとに、各販促媒体の評価(売上増分額やROIなど)をより正確に実施しようというものがあります。
MMM(Marketeing Mix Modeling)という数理モデルを構築することでこのようなことを実施できます。こちらも、昔からあるデータ分析・活用のテーマの1つです。
このように、データ分析・活用のテーマは、データ分析を活用する現場のPDCAサイクルの中の、Plan(計画)とCheck(評価)にあることが多いです。
データを分析し考えていく「3つのこと」
現場でデータ分析・活用をするとき、例えば次の「3つのこと」を、データを分析し考えていきます。
- (1)何が起こっていたのか(過去)
- (2)どうなりそうか(未来)
- (3)何をすればよいのか(アクション)
先ずは、「何が起こっていたのか(過去)」を検討することから始めます。
「何が起こっていたのか(過去)」を検討後、次に「どうなりそうか(未来)」を検討します。
「どうなりそうか(未来)」を検討後、次に「何をすればよいのか(アクション)」を検討します。
今説明したデータを分析し考えていく「3つのこと」(①何が起こっていたのか、②どうなりそうか、③何をすればよいのか)は、PDCAサイクルで言うところの「Check」(評価)と「Plan」(計画)に該当します。
データ分析は「Check」(評価)から始まる
PDCAサイクルは、「Plan」(計画)から始まりますが、今説明したデータを分析し考えていく「3つのこと」は、「Check」(評価)から始まります。
そのため、データ分析・活用の対象が「Plan」(計画)である場合、当然ながら「Plan」(計画)のためのデータ分析は必要ですが、それだけでなく「Check」(評価)のためのデータ分析も必要になります。
また、データ分析・活用の対象が「Check」(評価)である場合であっても、「Plan」(計画)のためのデータ分析は必要になることはあります。
なぜならば、問題が起こったときに、「どうなりそうなのか」や「何をすればよいのか」を提示できたほうがいいからです。
PDCAサイクルの「Act」(改善)につなげるためのデータ分析です。
つまり、データ分析・活用のテーマを考えるとき、恐らく「Check」(評価)と「Plan」(計画)のどちらかの場面になることが多く、その中でモニタリングや異常検知、要因分析、将来予測、レコメンドといったことを実施していくことでしょう。
今回のまとめ
今回は、「データ分析はPDCAの『Check』(評価)から始まる」というお話しをしました。
社会人の方であれば、PDCAサイクルPDCA(Plan-Do-Check-Act、計画-実行-評価-改善)サイクルと言う言葉を、一度は聞いたことあると思います。
ビジネスの世界では、意識しているかどうかに関係なく、結局のところPDCAサイクルを用いてビジネス活動を行っていることが多いと感じます。
例えば、企業全体で考えた場合、年度計画を立案し、その計画に沿って業務をし、四半期や半期、事業年度末前後に決算と言う名の事業の振り返りを実施し、必要があれば修正や改善を実施しています。
PDCAサイクルはP(計画)から始まりますが、データ分析側から見るとC(評価)から始まります。
どういうことでしょうか。
現場でデータ分析・活用をするとき、例えば次の「3つのこと」を、データを分析し考えていきます。
- (1)何が起こっていたのか(過去)
- (2)どうなりそうか(未来)
- (3)何をすればよいのか(アクション)
先ずは、「何が起こっていたのか(過去)」を検討することから始めます。
「何が起こっていたのか(過去)」を検討後、次に「どうなりそうか(未来)」を検討します。
「どうなりそうか(未来)」を検討後、次に「何をすればよいのか(アクション)」を検討します。
これらは、PDCAサイクルで言うところの「Check」(評価)と「Plan」(計画)に該当します。
「Check」(評価)に該当するのが、(1)の「何が起こっていたのか(過去)」です。
要は、データ分析は「Check」(評価)から始まりアクションへ繋げていくということになります。