いくらデータ分析をしても、目立ったビジネス成果が生まれない。生まれないどころか、データ分析業務そのものの工数や分析基盤のコストが、無駄になっている。
このような愚痴を聞くことも少なくありません。
データ分析に限ったことではありませんが、何かしらのビジネス成果につながらなければ、無駄という烙印を押されてしまいます。
では、データ分析を活用し、ビジネス成果を生み出すことは無理なのでしょうか。
否です。データ分析をうまく活用し、ビジネス成果を出している企業はあります。最近だけでなく、昔からあります。
例えば、生きるか死ぬかのミリタリーの世界では、古代中国の孫氏の時代からデータ分析(というか、それよりも広い概念である情報分析)が重宝されていますし、医療や薬学系の分野でも独自の発展を遂げています。
では、なぜデータ分析を上手く使い、ビジネス成果を出せない企業が存在するのでしょうか。
いくつか要因はあるでしょうし、解決策もいくつかあるかもしれません。
今回は、解決策の一つを提示します。「とりあえず、業務プロセスを捉えよ! 人の動きの見えないデータ分析に納得感は生まれない」というお話しです。
データ分析結果から、アクションが見えない
データ分析結果から何も生まれない。企業のデータ分析部門の責任者や、その分析結果を活用するはずであった部門責任者から、そのような愚痴を聞くことも少なくありません。
なぜ何も生まれないのでしょうか。
よくよくお話しを聞いてみると、非常に単純な話しであることが多いです。
多くの場合……
「その分析結果をもとに、これから何をし、どのように動けばよいのかが分らない」
……というものです。
例えば……
- 分析結果から導き出されたことが抽象的過ぎて、具体的なアクションが見えない!
- 日常的にどのような分析結果を出し続ければよいのかが分からない!
- その分析結果を参考に、誰が何をすればよいのかが分らない!
……などなど。
どのように動けばよいのか分からなければ、おそらく現場は動きません。どのように動けばよいのか分からないからです。
非常に単純なことです。
例えば、中学生の子供に……
「1学期の中間テストの点数が悪かったから、
1学期の期末テストの点数をあげるように勉強しなさい!」
……と言っても、なかなか点数は上がらないでしょう。
おそらく、この中学生も「勉強すること」は分かっています。重要なのは、「どのように勉強すればよいのか」です。
つまり、具体的な動きが見えないことには、現場を動かすことは難しいということです。
面倒だけど効果的な解決案の一つ
解決案として、色々なことが考えられます。そのような解決案の中に、面倒だけど効果的な解決案の一つあります。「業務プロセス」です。
業務プロセスを整理し捉えると、急激にデータ分析の活用が動き出すのです。
なぜならば、日常のどの場面でデータ分析をし、そして日常のどの場面で分析結果を活用すればよいのかが見えてくるからです。
例えば、業務プロセスが見えることで……
- 誰がどのタイミングで、そのようなデータ分析をすればよいのかが決められます
- 誰がどのタイミングで、どの分析結果を参考にすればよいのかが分かります
- 誰がどのタイミングで、分析結果をもとにどのように動けばよいのかが見えてきます
業務プロセスが見えると、データ分析が躍動する
業務プロセスがどのようになっているのかを整理することは、非常に労力が必要で結構大変です。この業務プロセスは、理想の業務プロセスでも、建前上の業務プロセスでもありません。リアルな業務プロセスです。今現在どのようになっているのかが重要になります。
今現在どのようになっているのかという、リアルな業務プロセスが見えると、データ分析が躍動します。
では、なぜ業務プロセスが見えるとデータ分析が躍動するのでしょうか。
なぜならば……
- 業務プロセスを捉えることで、人の動きが見えてきます
- 人の動きが見えてくることで、データ分析の活用場面が浮かび上がってきます
- データ分析の活用場面が浮かび上がることで、どの業務でデータ分析やその活用をすれば分かります
……といった具合に、データ分析結果に具体性が宿り、データ分析そのものが躍動し始めます。
今回のまとめ
今回は、「とりあえず、業務プロセスを捉えよ! 人の動きの見えないデータ分析に納得感は生まれない」というお話しをしました。
データ分析結果から何も生まれない。そのような愚痴を聞くことも少なくありません。
なぜ何も生まれないのでしょうか。
それは、その分析結果をもとに、これから何をし、どのように動けばよいのかが分らないからです。
- 例えば、分析結果から導き出されたことが抽象的過ぎて、具体的なアクションが見えない。
- 例えば、日常的にどのような分析結果を出し続ければよいのかが分からない
- 例えば、その分析結果を参考に、誰が何をすればよいのかが分らない。
色々なことが考えられますが、ある一つのことを整理し捉えると、急激にデータ分析の活用が動き出すことがあります。それが「業務プロセス」です。
業務プロセスを捉えることで、日常のどの場面でデータ分析をし、そして日常のどの場面で分析結果を活用すればよいのかが見えてきます。
- 見えることで、誰がどのタイミングでそのようなデータ分析をすればよいのかが決められます。
- 見えることで、誰がどのタイミングでどの分析結果を参考にどのように動けばよいのかを検討することができます。
要するに、「業務プロセス」を捉えることで、人の動きが見え、データ分析に具体性と躍動感が生まれやすくなります。