第109話|必ずと言っていいほど整備されていないデータ。それはアクション系のデータ

第109話|必ずと言っていいほど整備されていないデータ。それはアクション系のデータ

積極的にデータ分析がなされていない企業で、「さぁデータ分析するぞ!」と言ってデータを分析し始めたとき、必ずと言っていいほど整備されていないデータがあります。

それは、アクション系のデータです。一方で、それなりに蓄積し整備されているのが、結果系のデータです。

両方揃わないと、データ分析を活用するとき、スムーズにいかないことでしょう。

今回は、「必ずと言っていいほど整備されていないデータ。それはアクション系のデータ」というお話しをします。

アクション系のデータとは?

ところで、アクション系のデータとは何でしょうか?

それは、実施した施策のデータです。

例えば、営業の訪問に関するデータ、キャンペーンのデータ、イベントのデータなどの、営業や販促などの活動データです。

このようなデータは、決まって整備されていません。厳密には、データ分析ですぐ使えるほどには整備されていません。

電子データとして蓄積されていても、分析で使えるわけではありません。

データ分析で使えるデータとは、きちんと構造化されているデータです。列にデータ項目(例:顧客ID、受注ID、日付、商品名、売上点数、単価、売上高)、行にケース(例:個々の受注)といったデータです。

パワポやPDFというなのデータ

営業の訪問に関するデータ、キャンペーンのデータ、イベントのデータぐらいならある! というケースでも、よくよく調べてみると、パワーポイントの資料として残っているだけであったりします。

例えば、イベントの企画書がパワーポイントの資料としてまとめられ、イベント開催案内のDMはExcelファイルに格納されている。DMではなくメールによる案内は、メール配信ツールという名のシステムに残っている。

確かに、電子的なデータとして蓄積されていますが、このままでは分析では使えません。分析に使える形に整備する必要があります。

特に、パワポやPDFという形ですと、非常に厄介です。

目で見ながら分析用データを作るという非常に手間のかかる作業が発生します。

結果系のデータとは?

一方で、結果系のデータとは何でしょうか?

ビジネス成果を数値で表したものです。

例えば、営業であれば、受注系のデータです。キャンペーンであれば、キャンペーンの反応数や売上などです。イベントであれば、イベント参加者数などでしょう。

ホームページなどのサイトであれば、アクセス解析ツールで見れるページビュー数やセッション数、訪問者数、コンバージョン数などのWebログです。

このようなデータは、Webログなどのほぼ自動的に蓄積されるものもあれば、営業活動の成果である受注系のデータなどの手動のものもあります。

手動であっても、多くの場合それなりの状態で蓄積されています。そうしないと、ビジネス活動に支障がでるからです。

もちろん、未だに紙やFAXで受発注をしている業界や企業もありますが、何らかの形で電子化されている企業が多いと思います。

なぜアクション系のデータが必要なのか?

では、なぜアクション系のデータが必要なのでしょうか? 結果系のデータだけで分析をすることはできないのでしょうか?

結論から言うと、結果系のデータだけで分析をすることはできます。

しかし、アクション系のデータがあると、その結果(ビジネス成果)を生み出すのに何が効果的だったのかが分かります。そのアクションを生み出すコストが分かれば、どの程度効率的であったのかも分かります。

その結果、営業生産性や販促効率が上がります。

結果系のデータだけで分析をする

アクション系のデータの整備には、意外と時間が掛かります。そのため、スピードを求めるならば、結果系のデータだけで分析をすることになります。

例えば、売上を時系列でグラフ化したり、エリア別に比較してみたり、顧客属性で比較してみたり、昨年と比較してみたりします。

恐らく、この程度のことしかできないことでしょう。

その結果、最近は売上がやや上昇してきている、昨年の同月で比較すると北関東の売上が大きく伸びている、例年通り1月の売上が跳ねるなどなど。

なぜ北関東の売上が伸びたのか、本当に例年通り1月の売上が跳ねているのか、このようなことはデータからは分かりません。アクション系のデータがあれば、分かることがあるかもしれませんが……

結果系のデータだけで分析をした場合、その先は解釈の力に頼ることになります。例えば、北関東だけ試しに新規のキャンペーンを実施したからであろう、みたいになります。

日ごろから、アクション系のデータを綺麗に蓄積しよう!

アクション系のデータを、分析できる状態にまで整備するのは大変です。それなりに時間が掛かることでしょう。

分析する段階になって、一気にアクション系のデータを整備すると、抜け漏れが発生したりします。

そのため、日ごろからアクション系のデータを、綺麗に蓄積しておくといいでしょう。キャンペーンの企画書をパワーポイントで作るより、かなり楽です。

難しいことはありません。Excelで十分です。

そのとき、データ分析で使いやすい形、列にデータ項目、行にケースといったデータにしておくといいです。DBやデータ分析ツールにインポートできる形がいいでしょう。

あらかじめExcelでフォーマットを作っておくと便利です。

今回のまとめ

今回は、「必ずと言っていいほど整備されていないデータ。それはアクション系のデータ」というお話しをしました。

積極的にデータ分析がなされていない企業で、「さぁデータ分析するぞ!」と言ってデータを分析し始めたとき、必ずと言っていいほど整備されていないデータがあります。

それは、アクション系のデータです。

一方で、それなりに蓄積し整備されているのが、結果系のデータです。

アクション系のデータとは、実施した施策のデータで、営業の訪問に関するデータやキャンペーンのデータ、イベントのデータなどです。

結果系のデータとは、ビジネス成果を数値で表したもので、営業であれば受注系のデータ、キャンペーンであればキャンペーンの反応数や売上、イベントであればイベント参加者数、HPであればWebログなどです。

結果系のデータだけで分析をすることはできますが、アクション系のデータがあると、その結果(ビジネス成果)を生み出すのに何が効果的だったのかが分かり、その結果、営業生産性や販促効率が上がります。

データ分析をする段階になって、急にアクション系のデータを整備するのは大変なので、日ごろからアクション系のデータを、綺麗に蓄積しておくといいでしょう。

Excelで十分です。キャンペーンの企画書をパワーポイントで作るより、かなり楽です。

小さなことですが、結構重要です。