データが鍵を握る時代が到来しました。
気持ち悪い! という拒否反応とともに、次のような意見が聞こえてきそうです。
「データごときに何ができる!」
「そこまで大袈裟な……」
「本当かよ!」
さらに、次なような声も聞こえてきそうです。
「データが鍵を握っている姿、見たことない!」
「体感ゼロなんだけど……」
「都市伝説ではないだろうか?」
今回は、「データが鍵を握る時代の到来」というお話しです。
データサイエンティストが1位になりました
米国では、職業としてのランキングで、データサイエンティストが上位に食い込むことが多いようです。
つい先日、米国で有名なというソーシャル求人情報サイトの職業ランキング「The Best Jobs in America 2018」で、データサイエンティストが1位になっていました。実は、2016年からずっと1位ですが……
このランキングは、年収と満足度と求人数をスコア化したものです。
Glassdoorは、リクルートが昨年約1300億円で買収したということで、ニュースになっていました。
ニュース記事によると、「2018年1月時点で約77万社に関する、4000万件以上の口コミが掲載。月間ユーザー数も5900万を超える。」となっていました。
リクルートが米国の企業口コミサービスGlassdoorを約1300億円で買収
https://jp.techcrunch.com/2018/05/09/recruit-glassdoor/
求人と口コミと言う名のデータが、ビジネスになっているのです。
蓄積されたデータとこのデータを活用しビジネスにつなげる仕組みが無ければ、リクルートは買収すら考えなかったでしょう。
まさに鍵を握っているのは、データです。
米国のデータサイエンティストは羨ましい……
先ほどのGlassdoorのランキングによると、アメリカのデータサイエンティストの場合、以下のようになっています。
- 年収は、日本円で約1,200万円(中央値)、
- 満足度は、4.3(平均値、最大5)、
- 求人数は、6,510件
似たような職業と思われる(実際、すぐそばで一緒に仕事することも多い)データエンジニアの場合は、どうでしょうか? 以下となります。
- 年収は、日本円で約1,100万円(中央値)、
- 満足度は、3.9(平均値、最大5)、
- 求人数は、4,739件
年収は、どちらもそこそこ高いようです。注目すべきは、満足度でしょう。
データエンジニアに限らず、IT系の満足度はどれほど高くないようですが、データサイエンティストは高くなっています。
収入も悪くなく、満足度も高い、この数字から考えると、非常に羨ましい環境で仕事をしていることが伺えます。
GAFA
最近ある企業が注目を浴びるようになりました。
GAFA(Google、Amazon、Facebook、Apple)です。個人情報を収集し上手く活用しているIT系企業です。
このような企業によるデータの寡占状態が生まれました。この寡占状態は非常に脅威です。
政府は、独占禁止法でデータの寡占状態を規制する検討に入りました。EUでは、個人情報保護の規制強化がなされました。
一方で、データの流通を促進する動きもあります。データに何ら力が無かったら、国が規制したりすることはありません。
今いったい何が起こっているのでしょうか?
少なくとも、データが鍵を握る時代が到来したことは確かです。
データが無ければ価値が生まれない
最近聞くキーワードを思い出してみてください。
例えば……
- AI(人工知能)・機械学習
- IoT(モノのインターネット)
- デジタルトランスフォーメーション(DX)
- ロボティクス
- xTech(Ad-Tech、HR-Techなど)
- 自動運転
すべに共通することがあります。それは「データが無ければ価値が生まれない」ということです。
もう少し突っ込んだ言い方をすると、「存在することができない(動かない、機能しない)」と思います。
人間で言うところの、血液のようなものです。
スマホやPCでさえ……
身近なところでは、スマホもPCでさえ、データが無いことには何も価値を生みません。
生まないどころか動きません。スマホやPCを動かすOSやアプリは、プログラムという名のデータの塊です。
さらに、スマホを使えば使うほどデータが発生しますし、インターネットでネットサーフィンすればするほどデータが発生します。
つまり、日常生活の中で、無意識にデータがどんどん発生しているのです。
ちなみに、データと聞くと、どのようなイメージがあるでしょうか?
多くの人は、数字の羅列のイメージがありますが、画像もテキスト(文字)も動画もデータです。
例えば、手書きの絵や文字をスマホやデジカメで撮影したり、スキャナーでデジタル化したりすれば、それもデータです。
それをどう蓄積し、どう活かすのか、そこは人の知恵次第といったところです。
そう考えると、データが鍵を握る時代とは、知恵が鍵を握る時代とも言えそうです。
知恵×データの時代の到来です。
今回のまとめ
今回は、「データが鍵を握る時代の到来」というお話しをしました。
データとビジネスを結びつける、職業としてのデータサイエンティストへの関心が高まり、米国の職業ランキングでは上位に食い込むようになりました。
データが鍵を握るわけではなければ、関心の高まりも、職業ランキング上位に食い込むこともありません。
そのような中、個人情報を収集し上手く活用しているIT系企業であるGAFA(Google、Amazon、Facebook、Apple)が注目されるようになりました。
既存の土俵ではなく、新たな土俵であるプラットフォームを構築し、カスタマーサクセスを実現すべくデータ収集と活用を実現し、四半世紀前では考えられないビジネスを実現しました。
構築したプラットフォームは、データが無ければこれほどの価値は生まれなかったでしょう。
身近なところでは、スマホもPCでさえ、データが無いことには何も価値を生みませんし、最近聞く、AI(人工知能)やデジタルトランスフォーメーション(DX)、自動運転なども、データが無いことには価値を生むことはないでしょう。
価値を生まないというよりも、存在不能な気がします。
しかし、データをどう蓄積しどう活かすのか、人の知恵次第ということで、厳密には「知恵×データの時代」ということでしょう。
つまり、GAFAも秀逸な知恵にデータを絡めることで、成長したかと思います。
知恵がデータによって、爆速で具現化し肥大化し社会に浸透する時代なのかもしれません。