ビジネスでデータ活用しようとチャレンジしたとき、次のような状況に陥るときがあります。
- データを集めたのに、思ったほどビジネス成果が生まれない!
- 高精度のモデルを構築したのに、なぜか現場で活用されない!!
- 分析しても分析しているだけで、成果が生まれるイメージが湧かない!!!
- 「見える化」したのに、収益が上向いた感があまりない!!!!
- そもそも、溜めたデータをどう活用すればいいのか分からない!!!!!
共通するのは、データ活用が上手くいっていないということです。では、データ活用が上手くいっていないと感じたら、どうすればいいのでしょうか?
突破の方法は色々あります。
その1つが、インフォメーションとインテリジェンスの違いを意識する、ということです。
今回は、「データ活用が上手くいっていないと感じたら、インフォメーションとインテリジェンスの違いを意識してみよう!」というお話しをします。
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2つの情報
データには、アクションに直接結びつけられるかどうかで2つの状態があります。
以下の2つです。
- インフォメーション
- インテリジェンス
どちらも日本語では情報と訳されます。
しかし、ビジネスでのデータ分析・活用上は大きく異なります。
非常にざっくり言うと、次のようになります。
- インフォメーションは見ただけではアクションを起こすことが「できない」データ
- インテリジェンスは見ただけでアクションを起こすことが「できる」データ
このことは、データをビジネスで活用する上で、強く意識しておいた方が良い違いです。
データをインテリジェンス化する技術
集めたデータは、通常は「インフォメーション」に過ぎません。
見ただけではアクションを起こすことが、通常はできないからです。
もちろん、センスのいい方は、集めたデータを見ただけで何をすべきか悟ることができるかもしれませんが、通常はできません。
アナリティクス(データ分析)は、「集めたデータ(インフォメーション)」を加工・分析・統合・表現・伝達し「アクションに結びつくデータ(インテリジェンス)」を生み出す技術です。
少なくとも、集めた「インフォメーション」から新たな「インフォメーション」(分析結果)を作る技術ではありません。
このことは非常に重要です。
インテリジェンス化するまで粘ろう!
集めたデータを「インテリジェンス」になるまでアナリティクス(データ分析)をしなければ、アクションは起こりません。
インテリジェンスは見ただけでアクションを起こすことができるとしているのですから、当然と言えば当然です。
要するに、「インテリジェンス」になるまでアナリティクス(データ分析)を実施できたかは、アクションが起こったかどうかで判断が付くということです。
当然ながら、アクションが起こらなければ、何も変わらないので、その先の収益的な成果(売上アップやコストダウン、利益率向上など)もありません。
アナリティクス(データ分析)担当者は、「インテリジェンス」を生み出すまでとことんやり抜くという執念が必要になってきます。
しかし、厄介なことに人によってインテリジェンスは異なりますし、同じ人でも状況によって異なってきます。
簡単な例
今、3人の兄弟がいたとします。
3人は、毎朝傘を持って外出するかどうかを、家を出る前に決めています。3人はそれぞれ行動パターンが異なります。以下は、その行動パターンです。
- 長兄 … 新聞の降水確率と、外の空模様を目で確認し決めている
- 次兄 … 新聞の降水確率が1%でもあると、傘を持っていく
- 末っ子 … いつもなんとなく決めている
ある日、新聞で降水確率を確認したら50%でした。
次兄は傘を持って外出することに決めました。なぜならば、「新聞の降水確率が1%でもあると、傘を持っていく」ような性格の人だからです。
長兄と末っ子はどうでしょうか。
2人は、新聞の降水確率だけでは、持っていくべきかの判断が付きませんでした。
そこで長兄は外の空を見て判断することにしました。その結果、長兄は傘をもって外出しないことに決めたました。なぜならば、「新聞の降水確率と、外の空模様を目で確認し決めている」からです。
末っ子はどうでしょうか。新聞を見ても、空を見ても、これだけでは判断が付かなかったようです。
この例は、同じ情報を与えても、人によってインフォメーションなのか、インテリジェンスなのかが異なることを示しています。
要するに、インテリジェンスは人よっては異なりますし、同じ人でも状況によって異なります。
人や状況によって、インテリジェンスは異なる
ある人にとってインテリジェンス(アクションに結びつくデータ)であっても、他の人にとってはインフォメーション(アクションに結びつけられないデータ)に過ぎない場合が多々あります。
そのため、どのような分析結果などがインテリジェンスなのかを定義しないと、どのようなアナリティクス(データ分析)をすればいいのかが、実は分かりません。
どのような分析結果などがインテリジェンスなのかを定義するためには、活用する現場にとってのインテリジェンスとな何かを知る必要があります。
つまり、アナリティクス(データ分析)担当者だけで、データを集計したり分析したり、予測モデルや異常検知モデルを構築しても、それはインテリジェンスでない可能性があるということです。
アナリティクス(データ分析)はアクションを実施する人に依存する
要するに、分析結果をアクションに結びつけられるかどうかは、アクションを実施する人に依存するのです。
例えば、ある部署で上手くいったアナリティクス(データ分析)を横展開しても上手くいかない場合があります。その原因がそこにあります。
アナリティクス(データ分析)担当者は、状況や組織などの違いなどに応じて、アクションをする人にとってどのようなインテリジェンスが必要かを考えなければならないのです。
今回のまとめ
今回は、「データ活用が上手くいっていないと感じたら、インフォメーションとインテリジェンスの違いを意識してみよう!」というお話しをしました。
データには、アクションに直接結びつけられるかどうかで2つの状態があります。
- インフォメーション: 見ただけではアクションを起こすことが「できない」データ
- インテリジェンス: 見ただけでアクションを起こすことが「できる」データ
どちらも日本語では情報と訳されますが、ビジネスでのデータ分析・活用上は大きく異なります。
データ活用が上手くいっていないと感じた場合、データ分析の結果などが本当にインテリジェンス化されているかどうかを、確認した方がいいでしょう。
そして厄介なことに、同じデータ分析の結果などでも、それがインテリジェンスかどうかは、人や状況によって異なってきます。
そのため、アナリティクス(データ分析)担当者は、データ分析の結果などを活用する現場にとって、何がインテリジェンスなのかを知る必要があります。
そのためにも、常日頃からインフォメーションとインテリジェンスの違いを意識しておく必要があります。