第152話|データ分析・活用で生まれる売上変動とコスト変動

第152話|データ分析・活用で生まれる売上変動とコスト変動

ビジネスでデータを活用するぞ! となったとき、売上アップやコストダウンなどの利益アップを考えがちです。

売上アップやコストダウンなどの利益アップが起こらないようなデータ活用であれば、ビジネスでは使いものになりません。

なぜならば、データを活用すればするほど、売上がどんどん下がったり、コストが上がるようでは、嬉しくないからです。

しかし、現実は、データを活用することで売上が下がったりコストが上がることは、よくあります。

今回は、「データ分析・活用で生まれる売上変動とコスト変動」というお話しをします。

売上が下がったりコストが上がったり

データ分析・活用を実践するとき、売上アップだけでなく売上ダウンも起こり得ます。

さらに、コストダウンだけでなくコストアップも起こり得ます。

要するに、データ分析をビジネスに活用すればするほど、利益を小さくする何かが起こり得ます。

例えば、データを分析したことのない部署でデータ分析を始めれば、データ分析をする工数が発生し、それだけコストアップします。

さらに、データ分析基盤を整えれば、導入コストや運用コストが発生します。

つまり、データ分析・活用を始めることで、それなりのコストが発生するのです。

コストは至る所で発生する

データ分析・活用の成果は、「Outcome」で生まれます。

しかし、コストは至る所で発生します。

先ほど挙げたデータ分析・活用に伴い発生する工数は、その典型例です。

さらに、最近流行りのBI(ビジネスインテリジェンス)ツールを導入すれば、そのツール代と、そのツールの面倒を見る人の工数も発生します。

工数コストが意外と無視されます。

無視される工数コスト

人を増やさずにデータ分析・活用を実施するとき、工数コストがよく無視されます

誰かが辛い思いをし実現するデータ分析・活用は、無理が発生し続きません。

その典型例が、その辛い思いをしていた人がいなくなり(転職や異動など)、データ分析・活用が思うように進まなくなるケースです。

昔はこのようなことが良くありました。今現在はどうでしょうか。

売上がダウンすることもある

データ分析・活用で効率化し、利益がアップしたり利益率が改善したりした場合、その代償として、何かしらの売上がダウンすることがあります。

例えば、利益率の悪いある商材の販売を縮小すれば、その商材の売上はダウンします。

利益の小さいありエリアから撤退すれば、そのエリアの売上はダウンします。

このように、データ分析・活用をするとき、売上アップやコストダウンという魅力的な面だけでなく、売上ダウンやコストアップといった利益を悪化させる面も考えていく必要があります

4つの金額

データ分析・活用の成果を金額換算するときは、次の4つの金額を見積もることが多いです。

  • 売上変動
    • プラスの売上変動(売上アップ)
    • マイナスの売上変動(売上ダウン)
  • コスト変動
    • プラスのコスト変動(コストアップ)
    • マイナスのコスト変動(コストダウン)

データ分析・活用を実践するとき、売上アップやコストダウンなど利益アップを目指すケースが多いと思います。

しかし、現実は先ほどあげたような副作用が伴います。

売上ダウンコストアップなどによる利益ダウンです。

それが、マイナスの売上変動(売上ダウン)プラスのコスト変動(コストアップ)です。

マイナスの売上変動(売上ダウン)とプラスのコスト変動(コストアップ)もしっかり考えよう

データ分析・活用を実践するとき、売上アップコストダウンなど利益アップにばかり目が行きがちです。

しかし、実際はマイナスの売上変動(売上ダウン)プラスのコスト変動(コストアップ)が起こります。

そこを無視すると、データ分析・活用で売上アップやコストダウンが実現しているのに、財務諸表を眺めてみると、営業利益も事業貢献利益も全く変動なし、という感じのことが起こります。

データ分析・活用に伴い起こる、マイナスの売上変動(売上ダウン)プラスのコスト変動(コストアップ)を無視しているからです。

要するに、先ほどあげた4つの金額をしっかり考え、データ分析・活用の成果を考えていきましょう。

今回のまとめ

今回は、「データ分析・活用で生まれる売上変動とコスト変動」というお話しをしました。

データ分析・活用を実践するとき、売上アップコストダウンなど利益アップを目指すケースが多いと思います。

しかし、現実は副作用が伴い、逆に売上ダウンコストアップなどによる利益ダウンが、ある程度起こります。

そのため、データ分析・活用の成果を語るとき、以下の4つの金額を見積もりましょう。

  • 売上変動
    • プラスの売上変動(売上アップ)
    • マイナスの売上変動(売上ダウン)
  • コスト変動
    • プラスのコスト変動(コストアップ)
    • マイナスのコスト変動(コストダウン)

データ分析・活用を実践するとき、売上アップコストダウンなど利益アップにばかり目が行きがちですが、実際はマイナスの売上変動(売上ダウン)プラスのコスト変動(コストアップ)が起こります。

マイナスの売上変動(売上ダウン)プラスのコスト変動(コストアップ)を無視すると、データ分析・活用で売上アップコストダウンが実現しているのに、財務諸表上、嬉しい変化が見られないことがあります。

そのため、データ分析・活用の成果を考えるとき、マイナスの売上変動(売上ダウン)プラスのコスト変動(コストアップ)もしっかり考えましょう。

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