このコードは、時系列データをトレンド、季節性、残差成分に分解するためのものです。

import numpy as np
from statsmodels.tsa.seasonal import seasonal_decompose
import pandas as pd
import matplotlib.pyplot as plt

np.random.seed(42)
data = pd.Series(
    np.sin(np.linspace(0, 20 * np.pi, 100))
     + np.random.randn(100) * 0.5)

decomposition = seasonal_decompose(
    data, model='additive', period=10)
decomposition.plot()
plt.show()

 

詳しく説明します。

このコードは、時系列データをトレンド、季節性、残差成分に分解するためのものです。以下に詳細を説明します。

ライブラリのインポート

• numpy: 数値計算を行うためのライブラリ。ここでは乱数生成や数値操作に使用しています。
• statsmodels.tsa.seasonal.seasonal_decompose: 時系列データをトレンド、季節性、残差成分に分解するための関数。
• pandas: データ操作や時系列データの処理を行うためのライブラリ。
• matplotlib.pyplot: データの可視化（プロット）を行うためのライブラリ。

データの生成

• np.random.seed(42): 乱数のシードを固定し、結果を再現可能にします。
• np.sin(np.linspace(0, 20 * np.pi, 100)): サイン波を生成します。これは周期性を持つデータを表します。
• np.random.randn(100) * 0.5: 平均0、標準偏差0.5の正規分布に従う乱数を生成し、サイン波にノイズを加えます。
• pd.Series: 生成したデータをPandasのSeries形式に変換します。

時系列分解

• seasonal_decompose(data, model='additive', period=10)
  • data: 分解対象の時系列データ。
  • model='additive': 加法モデルを使用します。データがトレンド、季節性、残差の加法的な組み合わせで構成されていると仮定します。
  • period=10: データの周期性を10として指定します。
• この関数は、データを以下の3つの成分に分解します。
  • トレンド: 長期的な傾向。
  • 季節性: 周期的な変動。
  • 残差: トレンドと季節性を除いた後に残るランダムな変動。

プロット

• decomposition.plot(): 分解された各成分（オリジナルデータ、トレンド、季節性、残差）をプロットします。
• plt.show(): プロットを表示します。

 

このコードを実行することで、時系列データの構造を視覚的に理解し、トレンドや季節性、ノイズの影響を個別に分析することができます。

3つの時系列成分

時系列分解とは、時系列データをその構成要素に分解する手法のことです。時系列データは、時間の経過に伴って観測されたデータであり、通常、以下の3つの主要な成分で構成されています。

トレンド（Trend）

トレンドは、データの長期的な傾向を表します。例えば、売上データが年々増加している場合、その増加傾向がトレンドに該当します。トレンドは、データの全体的な方向性を示すため、長期的な変化を理解するのに役立ちます。

季節性（Seasonality）

季節性は、一定の周期で繰り返されるパターンを指します。例えば、夏にアイスクリームの売上が増加し、冬に減少するようなデータでは、この周期的な変動が季節性に該当します。季節性は、データの周期的な特性を把握するために重要です。

残差（Residual）

残差は、トレンドや季節性を除いた後に残るランダムな変動部分です。これは、データに含まれるノイズや予測できない要因を表します。

時系列分解を行うことで、これらの成分を個別に分析できるようになります。これにより、データの構造をより深く理解し、トレンドや季節性を考慮した予測や分析が可能になります。

時系列分解の方法

時系列分解には、主に以下の2つのモデルがあります。

加法モデル（Additive Model）

• データがトレンド、季節性、残差の加法的な組み合わせで構成されていると仮定します。
• 式: データ = トレンド + 季節性 + 残差

乗法モデル（Multiplicative Model）

• データがトレンド、季節性、残差の乗法的な組み合わせで構成されていると仮定します。
• 式: データ = トレンド × 季節性 × 残差

活用例

• 売上データのトレンドを把握して、将来の売上を予測する。
• 季節性を考慮して、需要のピークや落ち込みを予測する。
• 残差を分析して、異常値や予測不能な要因を特定する。

 

時系列分解は、データの特性を理解し、より正確な予測や意思決定を行うための強力なツールです。