データを使いモノゴトを改善し続けよう! という動きは、昔からあります。
有名なところでは、生産現場のSQC(統計的品質管理)活動です。
「統計的」という枕詞が付いている通り、データを集め分析し品質を高めるための改善活動を、「人力」で実施していきます。
そのためにQCサークルという、改善活動を実施するグループを作ったりします。
今回は、データ分析・活用の一つである「データ・コンティニュアス・インプルーブメント」というお話しをします。
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コンティニュアス・インプルーブメント
コンティニュアス・インプルーブメントとは、「継続的改善」という意味(単に日本語にしただけですが……)です。
データを使う使わないに関係なく、継続的に改善する活動をしていれば、それはコンティニュアス・インプルーブメントです。
この言葉自体は、結構昔からあります。少なくとも、私が社会人になったころにはありました。
自分を成長させるコンティニュアス・インプルーブメント
コンティニュアス・インプルーブメントの一番分かりやすいのが、昨日の自分よりも今日の自分をより良いものにする活動です。
例えば、小・中学校時代などの学習活動は、コンティニュアス・インプルーブメントです。
勉強も部活も習い事もコンティニュアス・インプルーブメントです。
社会人になってからの、知識獲得やスキルアップ、能力向上などもコンティニュアス・インプルーブメントです。
ちょっとしたことを、改善し克服し続ければ、コンティニュアス・インプルーブメントです。
アップグレードと言うよりもアップデート
コンティニュアス・インプルーブメントは、どちらかと言うとアップグレードと言うよりもアップデートするイメージです。
大幅な更新や機能追加をするアップグレードに対し、アップデートは不具合の修正や小規模の更新や機能追加をする感じです。
つまり、コンティニュアス・インプルーブメントとは、継続的にアップデートすることです。
そう考えると、データ・コンティニュアス・インプルーブメントとは、データを使い継続的にアップデートすることです。
データ・コンティニュアス・インプルーブメント
データ・コンティニュアス・インプルーブメントとは、単にデータを使ったコンティニュアス・インプルーブメントです。
コンティニュアス・インプルーブメントの中で、データを使うことで、改善スピードや改善の質が著しく向上する部分が対象になります。
商品そのものの品質をデータを使い改善し続ける活動や、その商品を売るための活動をデータを使いより良いものに改善し続ければ、それはデータ・コンティニュアス・インプルーブメントです。
レコメンド・エンジンの例
AmazonなどのECサイトでお馴染みの、商品をレコメンド(お勧め)するシステムの核となるレコメンド・エンジンは、日々データを使い改善され続けていることでしょう。
まさに、データ・コンティニュアス・インプルーブメントです。
レコメンド・エンジンのアルゴリズム(算定ロジック)は、新しい購買データを取得した度にアップデートされ、昨日よりも今日の方がより良いものになっています。
このレコメンド・エンジンのアルゴリズム(算定ロジック)をアップデートする仕組みを自動化してしまえば、このコンティニュアス・インプルーブメント活動は、あまり人手を介さずにコンピュータの中で学習し進化し続けるということになります。
最近のデータ・コンティニュアス・インプルーブメントは、「あまり人手を介さずにコンピュータの中で学習し進化し続ける」ということを目指している気がします。
人手を介さずにコンピュータの中で学習し進化し続ける
データ・コンティニュアス・インプルーブメントの仕組みをもった商品は、あまり人手を介さずにコンピュータの中で学習し進化し続けます。
一時期流行した「お掃除ロボット」や「ペットロボット」などが典型的でしょう。
使えば使うほど、時間が経過すればするほど、どんどん進化し続けます。
今あげた例は、閉じたデータ・コンティニュアス・インプルーブメントです。
「閉じた改善」と「開かれた改善」
データ・コンティニュアス・インプルーブメントには、「閉じた改善」と「開かれた改善」があります。
「開かれた改善」とは、改善時に活用するデータに他者のモノを含むケースです。
身近なところだと、Googleの検索エンジンなどでしょう。
Googleの検索エンジンは、あなたの検索活動のデータだけを使い日々改善しているわけではなく、あなた以外の多くの人の検索活動のデータも使い日々改善しています。
データ分析・活用の目指す姿
データ・コンティニュアス・インプルーブメントは、データを使い日々改善し進化し続ける活動です。
データ分析・活用の目指す姿の一つでしょう。
データ・コンティニュアス・インプルーブメントの仕組みを、商品に組み込めば、その商品はデータを使い日々改善し進化し続けるということです。
データ・コンティニュアス・インプルーブメントの仕組みを自動化すれば、今流行りのAI(人工知能)の一つと言えるかもしれません(AIとは何??? という定義の問題がありますが……)。
仕組みを自動化する場合、日々改善し続けるための学習アルゴリズム(算定ロジック)を考える必要があります。
多くの場合、人的に実施しているデータ・コンティニュアス・インプルーブメント活動を参考にすれば十分です。
今回のまとめ
今回は、データ分析・活用の一つである「データ・コンティニュアス・インプルーブメント」というお話しをしました。
データ・コンティニュアス・インプルーブメントは、データを使い日々改善し進化し続ける活動です。
データを使いモノゴトを改善し続けよう! という動きは、昔からあります。
有名なところでは、生産現場のSQC(統計的品質管理)活動です。
最近のデータ・コンティニュアス・インプルーブメントは、「あまり人手を介さずにコンピュータの中で学習し進化し続ける」ということを目指している気がします。
この場合、日々改善し続ける学習アルゴリズム(算定ロジック)を考える必要があります。
多くの場合、人的に実施しているデータ・コンティニュアス・インプルーブメント活動を参考にすれば十分です。