最近喜ばしいことに、データが蓄積される機会が増えています。
しかし、データがある程度蓄積されたとき、次のような問いがなされる場合があります。
- 「このデータに対し、どのような分析をすればいいの?」
- 「どの分析手法で、何が解決できるの?」
- 「このデータで、何ができるの?」
今回は、「『このデータで、何ができるの?』という問いには気を付けよう」というお話しです。
Contents
データは、どんどん溜まる
データは恐ろしいことに、どんどん溜まってきます。
溜め始めると、気づくととんでもない量になることも少なくありません。
そのため、ある企業では、ある一定期間が過ぎたデータを捨てたりします。
またある企業では、データを集約し(例:POSデータをレシート単位から1日単位に集計)、元のローデータを捨てたりします。
そして、あることに気が付きます。
このデータは何かに使えるかもしれない、ということに気が付きます。
このデータ、何かに使えるんじゃない?
昨今の、ビッグデータブームやデータサイエンス、機械学習、AIなどの耳障りのいいキーワードに乗せられ、「このデータ、何かに使えるんじゃない?」と問うてくる人も多いでしょう。
「このデータ、何かに使えるんじゃない?」の次に来る問いが、先ほど挙げた以下の問いです。
- 「このデータに対し、どのような分析をすればいいの?」
- 「どの分析手法で、何が解決できるの?」
- 「このデータで、何ができるの?」
当然の流れのようにも思えます。
「データ」を「にんじん」に置き換えたらどうでしょうか?
「データ」を「にんじん」に置き換えて考えてみる
帰宅したらたくさんの「にんじん」が家にありました。
「このにんじん、何かに使えるんじゃないの?」
「料理」に使えるでしょう。
問題は、にんじんを使う料理メニューがたくさんあることです。
このデータで、何ができるの?
ほど挙げた以下の問いで、この「にんじん」の話しで置き換えてみます。
- 「このデータに対し、どのような分析をすればいいの?」
- 「どの分析手法で、何が解決できるの?」
- 「このデータで、何ができるの?」
次のようになりました。
- 「このにんじんに対し、どのような調理をすればいいの?」
- 「どの調理法で、何(料理メニュー)ができるの?」
- 「このにんじんで、何(料理メニュー)ができるの?」
このような問いを投げかけられたら、あたたは次にように思うかもしれません。
- 「何を作りたいんだ!」
- 「何を食べたいんだ!」
データサイエンスもデータ分析も機械学習なども同じです。
「何をしたいんだ!」
要は、データ分析・活用の「テーマ」の問題です。
冷蔵庫にある余り物でおいしい料理を作る
冷蔵庫にある余り物で、おいしい料理を作るには熟練した何かが必要でしょう。
蓄積されたデータから、気の利いたデータ分析をしたり、数理モデルを作り、パッパカ、パッパカ、パッパカとビジネス成果を出す人も同様に、熟練した何かが必要でしょう。
生まれたときから持ち合わせた才能もあるかもしれませんが、多くの場合、熟練した何かが必要です。
データから適切なデータ分析・活用のテーマを創造できる人は稀です。
1,2年や5,6年程度の経験値では、通常は無理でしょう。
ですので、、、
「このデータで、何ができるの?」
、、、という問いにが発せられたとき、次の問いをしましょう。
「何をしたいんだ!」
要は、データ分析・活用の「テーマ」は何ですか? ということです。
にんじんを使った料理メニューを列挙せよ!
「何をしたいんだ!」という問いの回答が、次のような場合は最悪です。
「このデータで、何ができそうか、列挙して、、、」
「にんじん」の例えで言えば、、、
「にんじんを使った料理メニューを列挙せよ!」
、、、という感じです。
要は、データ分析・活用の「テーマ」候補を列挙しろ! というのです。
無茶苦茶です。
データの存在を忘れよう!
溜まったデータの呪縛にとらわれたら大変です。
このデータで何ができそうかだけを考え、ものすごく視野が狭まります。
なので、一旦はデータの存在を忘れ、「お困りごと」を列挙するところから始めましょう!
その中に、素敵なデータ分析・活用のテーマが眠っています。
今回のまとめ
今回は、「『このデータで、何ができるの?』という問いには気を付けよう」というお話しをしました。
データがある程度蓄積されたとき、次のような問いがなされる場合があります。
- 「このデータに対し、どのような分析をすればいいの?」
- 「どの分析手法で、何が解決できるの?」
- 「このデータで、何ができるの?」
このような問いが発せられたら、次にように問いましょう。
「何をしたいんだ!」
要は、データ分析・活用の「テーマ」は何ですか? ということです。
データから適切なデータ分析・活用のテーマを創造できる人は稀です。
そのため、一旦はデータの存在を忘れ、「お困りごと」を列挙するところから始めましょう!
その中に、素敵なデータ分析・活用のテーマが眠っています。