データ分析・活用(データサイエンス実践)の「テーマ設定」の流れについて簡単に説明します。
- テーマ設定の入口は、現場の「お困りごと」(問題)です
- 出口は、テーマ選定マトリクスを使ったテーマ候補の評価結果です
- その評価結果をもとに、優先順位付けを行い扱うテーマを選択します
テーマ設定の入口である現場の「お困りごと」(問題)を考えるとき、ギャップ分析を実施します。
今回は、「テーマ設定とギャップ分析」というお話しをします。
Contents
系統図法で問題を課題化し解決策を考える流れ
前回の復習です。
前回は、「データ分析上必須な2つのロジカルシンキング」というお話をさせて頂きました。
この中で、系統図法で問題を課題化し解決策を考える流れを紹介しました。
以下です。
- 【1】お困りごと(問題)の設定
- 【2】問題の要因(原因)の洗い出し
- 【3】原因(要因)の課題化
- 【4】課題の解決策の案出
- 【5】解決策のデータ活用の可能性検討
【2】および【4】で系統図(ロジックツリー)を作り検討していきます。
【1】と【3】でギャップ分析を実施します。
今回のお話しは【1】に関するものが中心で、【3】にも若干触れます。【5】は次回お話しします。
ギャップ分析
ギャップ分析は、理想(To-Be)と現状(As-Is)の差異を捉え、そのために何をすべきかを考える課題抽出法です。
通常は、定量分析というよりも定性分析に分類されます。
課題抽出時に、前回お話ししたようなロジカルシンキング的な手法を使います。
前回お話ししましたが、「理想(To-Be)と現状(As-Is)のギャップが生まれている状態」を「問題」と定義します。
これをさらに「数値」でも表現しましょう。
理想(To-Be)と現状(As-Is)のどちらを先に考えるべき?
たまに次のような質問を受けます。
「理想(To-Be)と現状(As-Is)のどちらを先に考えるべきでしょうか?」
結論は、どちらでもいいです。
考えやすい方からでいいでしょう。
個人的には、「理想(To-Be)」から考えた方がいいと感じています。
なぜでしょうか?
「理想(To-Be)」から考えた方がいい理由
精神的な理由で、「現状(As-Is)」から考えると心が暗くなり、しかもその後に考える「理想(To-Be)」が小さくなります。
なので、現状無視で夢見る感じで「理想(To-Be)」を考え、心晴れやかな状態で「現状(As-Is)」を考えるのがいいです。
ギャップと考えると問題は4タイプある
現場の「お困りごと」(問題)と言っても、今現在の「問題」だけでなく、今後起こるかもしれない「問題」も対象に入ります。
さらに、ネガティブな状態を解消する「問題」だけでなく、ネガティブな状態ではないけれど、よりポジティブな状態にすべきことも「問題」と考えます。
したがって、「問題」は大きく次の4つに分類されます。
「原因(要因)の課題化」もギャップ分析
先ほど、【3】の「原因(要因)の課題化」もギャップ分析であることに言及しました。
前回もお話ししましたが、【3】の「原因(要因)の課題化」のギャップ分析も、基本は理想(To-Be)と現状(As-Is)の差異を考えます。
【1】の「お困りごと(問題)の設定」のギャップ分析で「問題」を定義し、【2】の「問題の要因(原因)の洗い出し」でロジカルシンキングで原因を炙りだします。
炙り出された「原因」が、「現状(As-Is)」になります。
この「原因」に対処し「より良い状態」にするのが「課題」です。
この「より良い状態」が「理想(To-Be)」です。
「理想(To-Be)と現状(As-Is)のギャップが生まれている状態」が「課題」になります。
「現状(As-Is)」のままであれば、課題にならないということです。
実際に、ほったらかしにする原因や、どうしようもない原因は、課題になりません。
ちなみに、【3】の「原因(要因)の課題化」のギャップ分析は、「現状(As-Is)」が既に明確になった状態で実施します。
今回のまとめ
今回は、「テーマ設定とギャップ分析」というお話しをしました。
前回お話しした、以下の「系統図法で問題を課題化し解決策を考える流れ」の最初の【1】にフォーカスしました。
- 【1】お困りごと(問題)の設定
- 【2】問題の要因(原因)の洗い出し
- 【3】原因(要因)の課題化
- 【4】課題の解決策の案出
- 【5】解決策のデータ活用の可能性検討
【1】と【3】でギャップ分析を実施します。今回のお話しは【1】に関するもので、そのまま【3】にも応用できます。
ギャップ分析は、理想(To-Be)と現状(As-Is)の差異を捉え、そのために何をすべきかを考える課題抽出法で、どちらかというと定量分析というよりも定性分析に分類されます。
個人的には、現状無視で夢見る感じで「理想(To-Be)」を考え、心晴れやかな状態で「現状(As-Is)」を考えるのがいいと感じています。
次回は、「【5】解決策のデータ活用の可能性検討」についてさらに説明します。