ビジネス系のデータ分析・活用(データサイエンス実践)の進め方は、業界や企業など応じて色々なものがあります。
正解というものはありません。正直、成果さえ出せればそれで良いのです。
私が社内向けのデータ分析・活用(データサイエンス実践)を長年実施する中で、結果的に落ち着いたビジネスデータ分析の進め方があります。
次のビジネスデータ分析の5ステップです。
- STEP1 準備する
- STEP2 集める
- STEP3 分析する
- STEP4 表現する
- STEP5 伝える
今回は、「社内ビジネスデータ分析は5ステップではじめよう!」というお話しをします。
Contents
「すうがく」で社会をより良くしたい……
私は、大学で数理統計学などを含めた数学を学びました。折角なのでその知識を活かし、社会をより良くしたいと思い、官公庁に就職しました。研究職です。
しかし、なぜか国の研究機関ではなく中央省庁に配属されました。周りは文系の行政職(法律・経済・行政など)だらけです。
そのとき私は、なんか面白そうという「わくわく感」と、どうしてそこに配属されたのだろうという「絶望感」の入り混じった変な気持ちでした。
文系の中に少数の理系ということで、案の定、私は周囲から「データの扱いに強い」という間違ったイメージを持たれてしまいました。
実際は、データを実務で使ったことはありませんし、実践的な統計学を学んだこともありませんでした。
正直、国家公務員試験を数学ではな経済で受験し行政職になればよかったとちょっと思いました。
データ分析とは「データとの対話」である
私の数理統計学の知識は、教科書や専門書以上の広がりは、当然ありませんでした。
高度な統計学の知識があっても活かし方が分からない。だんだん、わくわく感よりも絶望感のほうが強くなってきました。周囲の期待と自分のスキル不足の狭間で苦しみました。
そのうち、数理統計学は使い物にならないのではないかと疑うようになりました。
私は、しばらくしてあることに気が付きました。
データ分析スキルとは「データと対話するスキル」であるということにです。内緒ですが、私は分析しながら心の中でブツブツと対話をしていました。
人は、対話を通して相手への理解を深めることが出来ます。同様に、人は、データ分析を通してデータへの理解を深めることが出来ます。
対話の手順
人と対話するとき、初対面の人にいきなり難しいテーマで対話を挑む人は少ないでしょう。
最初は簡単な対話。徐々に難しい対話をする。データ分析も同じです。
いたずらに難しくする必要はありません。
簡単なデータ分析をしてみて、手の届かないところを、難しいデータ分析をすれば良いのです。
凄いデータ分析≠活きるデータ分析
では、分析スキルが高くなれば、十分なデータ活用が実現するのでしょうか?
当然ですが、実現しません。「凄いデータ分析」と「活きるデータ分析」は異なります。頭では分かっていましたが、身に染みるのに数年掛かりました。
私は、大学卒業以来、20年間一貫してデータ分析の仕事に携わってきました。官公庁時代に「活かしてなんぼ」という感じの意思決定のためのデータ分析スキルを徹底的に叩き込まれました。退官後、そのときに身につけたデータ分析スキルを基に、社内外のデータ分析・活用(データサイエンス実践)の支援をしてきました。
私は、データを上手く活用できず、より良い成果を産み出せない組織や人を多く見てきました。驚いたことに、データを活用する上で気をつけるポイントは、どの分野にも共通していました。
データ分析スキルが高いだけではダメ
実際、データ分析は凄いが、あまり役に立っていないケースをたびたび目にしました。
例えば、分析結果の伝え方が下手なケース。伝えるべき人に伝わらなければ、データ分析の結果は活用されません。不幸なことです。
例えば、集めたデータに間違いのあるケース。間違ったデータは間違った意思決定に繋がります。恐ろしいことです。
では、どうすれば回避できるのでしょうか?
そこで、自分がやっていることを整理し、誰でも簡単に進められる社内ビジネスデータ分析の進め方を試行錯誤しはじめました。社外などのコンサルタントを必要とせず、社内だけで自走できるビジネスデータ分析の進め方です。
ビジネスデータ分析の5ステップ
データ分析を活かすプロセスに沿って、大きく5つのポイントを抑えることで、自走できることに気が付きました。
見返してみれば、当たり前のことでした。それが次のビジネスデータ分析の5ステップになります。
- STEP1 準備する
- STEP2 集める
- STEP3 分析する
- STEP4 表現する
- STEP5 伝える
5つのどこか一箇所にでも問題があるとデータ分析の活用は上手くいきません。
先ほどの例のように、最後の「伝える」でつまずけば、データ分析は活用されません。
「集める」でつまずけば、そのデータの分析結果は信用されません。
この5つのポイントを確実に押さえ、ながら分析することで、データ分析を実務で活かすことが出来ます。
分析力は競争力の源泉!
ビッグデータの時代、データは今まで以上に増えます。
データは活用されなければゴミです。上手く活用できれば宝になります。データがゴミになるか宝になるかはデータ分析次第です。
つまり、データ分析をビジネスの現場で使いこなす人財が豊富にいるということは、データが増えれば増えるほどあなたの会社や日本社会に宝が増えるということになります。
あなた自身、あなたの会社、そして日本経済の競争力の源泉の一つとしてデータ分析があります。
次回
今回は、「社内ビジネスデータ分析は5ステップではじめよう!」についてお話ししました。
- STEP1 準備する
- STEP2 集める
- STEP3 分析する
- STEP4 表現する
- STEP5 伝える
はじめて社内ビジネスデータ分析をされる方は参考にして頂ければと思います。次回以降で、それぞれについて詳細に説明いたします。
次回は「準備する」についてお話しいたします。
もっと知りたい方はこちら
14のフレームワークで考える かんき出版 (2014/9/18) |