ビッグデータとリトルデータの違いは、極端にいうとデータの「量」と「種類」が多いか少ないかだけの違いでしかありません。
データの量や種類が増えるほど、そのためのIT投資額は増え、確保すべき人財の数も増えていきます。安価になったとはいえIT投資は馬鹿にならないし、人財は急には確保できません。
そもそも、ビジネス成果を得るかどうか分からないことに対し、巨額のIT投資をする企業は稀でしょう。ある程度のIT投資に踏み切らせるためにも、Excelレベルのリトルデータ活用の実績は分かりやすく、社内を納得させる好材料になります。
社内データサイエンティストを育てよ!
人財は、外部の企業に頼むのも手ですが、自社内で育成したほうがよいでしょう。
外からでは分からない社内事情や、社外の人間では汲み取れない社内文化などを、社外の人間が理解しデータ活用を進めるには限界があります。外部の手を借りるにしても、社内に人財はどこかで必要になってきます。
では、どうすれば人財を確保できるのか。
手っ取り早く確実に、社内にデータ活用人財を増やす方法があります。それは、リトルデータ活用の経験を積ませ、データ活用の勘所を掴む感覚を養うことです。
要するに、データ活用でビジネス成果を出したいのであれば、Excelレベルのリトルデータ活用をやらない理由はありません。社内にデータ活用の実績と自信が蓄積され、さらにデータ活用のための人財も育つからです。
Excelレベルのリトルデータであれば、大規模なIT投資は必要ありません。Excelとデータさえあれば、すぐにでも始められます。小回りが利くので、軌道修正も早くビジネス成果が出やすく、データ活用のスキルが身につき人財も育ちます。
Excelレベルのリトルデータ活用は、後々のビッグデータ活用に向けた大きな第一歩になります。
Excelは最も身近な分析ツール
しかし、Excelで扱えるレベルのリトルデータといっても、データです。それなりの分析ツールなどが必要になります。
分析ツールと聞くとハードルが高そうに聞こえますが、多くのビジネスパーソンが日常的に活用している、Excelも立派な分析ツールです。
もちろん、Excelでできるデータ分析は限られています。それでも、それなりのデータ分析はできます。
例えば、「Excel関数」や「Excel Pivot」、「Excel 分析ツール」、「RExcel」などを使うと、想像以上に幅広いデータ分析をすることができます。
ということで、「Excel(簡単分析ツール)」というWeb講座を開講いたします。「Excelだけでも、これだけのことができるよ!」ということを説明していきます。
Excel分析 Web講座のテーマ
主に、以下の4種類の定量分析を取り扱います。
- (ⅰ)異常検知
- (ⅱ)要因分析
- (ⅲ)将来予測
- (ⅳ)評価決定
そのほかに、「Excel関数」や「Excel Pivot」、「Excel 分析ツール」、「RExcel」の使い方についても、説明していきます。
次回
次回から、Excelを最強の分析ツールに変えるべき諸設定と、その使い方について、何回かに分けて説明します。