データ分析前の準備は非常に重要です。
どのような準備をするのかが、あなたの望んだ成果(成功)に大きく影響します。その肝になるのがメッセージの品質です。つまり、データ分析前の準備とはメッセージ品質を高める準備をするのです。
データ分析前の「準備」について全5回にわたってお話しいたします。
- その1 実りあるデータ分析とは?
- その2 メッセージの力でアクションが起きる!
- その3 誰がアクションをするのか?
- その4 いつまでに伝えなければならないのか? ⇒ 今回
- その5 分解と統合
前回は、その3の「誰がアクションをするのか?」というお話しをしました。
今回は、その4の「いつまでに伝えなければならないのか?」というお話しをします。
Contents
メッセージはJIT(ジャストインタイム)
絶対に守らなければならないのがデータ分析の結果をメッセージとして伝える期限つまり納期です。
相手が10日後に必要だと言えば、必ず10日以内に伝えなければなりません。
納期ぎりぎりでまとめた余裕のないメッセージに、迫力がなかなか宿りにくいです。
時間と品質
一般的に、データ分析は時間をかければかけるほどより良い分析ができます。
つまり、納期は長いほどより良いデータ分析が出来ることになります。あくまでも可能性です。
その結果、メッセージの品質も向上し、より成功確率の高いアクションに結ぶ付けることができます。あくまでも可能性です。
データ分析のアリ地獄
時間があっても、データ分析のアリ地獄に陥ると大変です。
データ分析のアリ地獄とは、無駄に細かく分析をしてしまう現象です。
例えば、都道府県別までの分析で十分なのに、町丁目別(○○県△△市□□○丁目)まで細かく分析したりします。
なぜアリ地獄になるのか?
このように、データ分析のアリ地獄とは、目的から外れたポイントで無駄に細かく分析をしてしまう現象です。
多くの場合、「誰に何を伝えるべきか」が不明確な場合に起こります。
私にも経験がありますが、データ分析は分析者の趣味嗜好で細かい分析が行われることがあります。
このようなときに、アリ地獄に陥る可能性が高まります。
このアリ地獄に陥ると無駄に時間がかかるので、非常に気を付けなければなりません。
データ分析は想定よりも時間がかかる
データ分析をしていると、想定していたよりも時間がかかることが多いです。
例えば……
- 他のデータが必要になる
- 今話題の分析手法を興味本位で試す
- 無駄に分析しアリ地獄に陥る
……このようなことは日常的に起こります。
データ分析を始める前に、限られた時間の中で、どのようなデータを集め分析するのかを、最初にある程度決めなければなりません。
しかし、そのようなことを事前に考えても、データ分析は時間がかかるものです。
納期ぎりぎりで動くと品質は悪化する
納期は守らなければなりません。
納期ぎりぎりになってメッセージをまとめだすと、メッセージ品質は確実に粗悪になります。
最悪の場合には、どのようなアクションを起こせばいいのか見えない、単なるデータ分析結果だけのメッセージを提示することになります。
つまり、どのようなアクションを起こせばいいのかが見える程度の品質を保ったメッセージをまとめる余裕が欲しいのです。
メッセージは最後にまとめます。最初の分析作業だけで納期がぎりぎりになってしまったら、まとめる時間が足りなくなります。
時間は半分で考える
では、どのようにすれば良いのでしょうか?
私はいつも半分の時間で考えています。
例えば、10日後にデータ分析の結果を伝える必要があるのなら、そのとき納期を5日間として考え動きます。そうすると、作業に入る前に5日間で出来る範囲のデータ収集と分析を考えます。実際は、5日内で収まることがなく7、8日ぐらいかかりますが、最悪でも10日で収まります。
あくまでも経験ですが、これで失敗したことはありません。
最後にメッセージをまとめる時間に余裕がでてきます。そして、早く報告できれば喜ばれます。
次回
今回は、その4の「いつまでに伝えなければならないのか?」というお話しをしました。
- その1 実りあるデータ分析とは?
- その2 メッセージの力でアクションが起きる!
- その3 誰がアクションをするのか?
- その4 いつまでに伝えなければならないのか?
- その5 分解と統合 ⇒ 次回
次回は、その5の「分解と統合」というお話しをします。
もっと知りたい方はこちら
14のフレームワークで考える かんき出版 (2014/9/18) |