もっとも手軽なデータ活用は「見える化」です。
端的に言うと、データを集計や統計処理などし求めた「指標」を見てアクションの質をあげる、ということです。
もっとも手軽ですが、指標をただ眺めているだけ、というケースも多いのではないでしょうか。
今回は、「ビジネスで活きる指標とは?」というお話しをします。
Contents
見える化でビジネス成果を出すということ
見える化でビジネス成果を出すということとは、どういうことでしょうか?
データを集計したり統計処理したりし計算した指標をビジネス活用する現場に提供し、現場サイドでは指標を見ることでアクションを変化させ、ビジネス現場に変化をもたらす、といった感じです。
ということは、ビジネス現場に変化をもたらすアクションを起こす指標が必要になります。
指標は、アナリティクスとビジネス活用をつなげる鎹(かすがい)です。
時制で考える3タイプの指標
指標の分類方法は色々あります。
その1つが時制による分類で、ざっくりと以下の3つのタイプに分かれます。
- 【過去】①どうだったのか?
- 【未来】②どうなりそうか?
- 【現在】③何をすればいいのか?
3つのタイプの指標すべてある場合、指標の見る順番は……
【過去】①どうだったのか?→【未来】②どうなりそうか?→【現在】③何をすればいいのか?
……となります。
最低限、【過去】①どうだったのか? に関する指標は必要ですし、【過去】①どうだったのか? に関する指標だけというケースも多いことでしょう。
もし【過去】①どうだったのか? に関する指標だけの場合、この指標だけでアクションを考えることになります。
Output-Action-Outcomeのつながりが重要
データをInputとすると、指標はOutputになります。そこで終わったら意味はありません。このOutputである指標から、ビジネス成果であるOutcomeまで昇華させる必要があります。
このとき最重要なのが、指標とビジネス成果とアクションの3つのつながりです。
指標は単にアナリティクスとビジネス活用をつなげる鎹(かすがい)というだけでなく、現場でデータ活用するときの鼎の足の1つなのです。ちなみに、ビジネス活用する上の鼎の足とは、指標とビジネス成果とアクションの3つです。
指標とビジネス成果の間に関係性があるか?
指標とビジネス成果とアクションの3つのつながりの中で、真っ先に気にすべきは、指標とビジネス成果の関係性です。
ビジネス成果とあまり関係性がない指標をいくら眺めても、なかなか成果には結びつかないことでしょう。
そのため、利用する指標は、ビジネス成果となんらかの関係性があるものがいいでしょう。
ビジネス成果と関係性のある指標の作り方の中で、最も簡単なのはビジネス成果そのものを指標とすることです。例えば、売上や受注件数などを指標とすることです。
これだけだと、単にビジネス成果を見ているだけなので、関係性はばっちりですがひねりがありません。
次に簡単なのは、データなどで関係性を確認した、説明可能な先行指標(もしくは一致指標)を指標とすることです。
先行指標だと、ビジネス成果が確定する前の何かを表現しているため、この指標を見てアクションすることで先手が打てそうです。
指標の変化からアクションが見えるか?
指標とビジネス成果とアクションの3つのつながりの中で、次に気にすべきは、指標とアクションの関係性です。
要するに、指標の変化から次に何をすべきかというアクションが見えるか、ということです。
アクションが見えるかどうかは、現場の人しか判断できません。
誰かが「この指標でアクションできるはずだ」と言っても、現場サイドで「ムリ……」と思われたら、そのデータ活用は失敗する可能性が高いです。
ニュースサイトの事例
某マスメディアのニュースサイトです。サイトのビジネス成果の1つが無料会員登録です。
当時、サイト運営サイドはPV(ページビュー)数やUU(ユニークユーザ)数などの指標をメインを見ていました。
確かに、PV(ページビュー)数やUU(ユニークユーザ)数と無料会員登録はそこそこ相関していましたが、緩やかで弱い関係性でした。
特集ページのPV(ページビュー)数やUU(ユニークユーザ)数、回遊率(PV÷訪問数)などと無料会員登録が非常に高い相関があることが分かりました。実際調べてみると、無料会員登録している人の多くが、特集ページへの関与度が高いことが分かりました。
特集ページの質は記者の力量が問われるところです。
特集ページ関連の指標へと変えました。アクションの質が大きく変わりました。いかに良質の特集ページを作るのか、というアクションに変わりました。
今回のまとめ
今回は、「ビジネスで活きる指標とは?」というお話しをしました。
もっとも手軽なデータ活用は「見える化」です。見える化でビジネス成果を出すということとは、どういうことでしょうか?
データを集計したり統計処理したりし計算した指標をビジネス活用する現場に提供し、現場サイドでは指標を見ることでアクションを変化させ、ビジネス現場に変化をもたらす、といった感じです。
このとき最重要なのが、指標とビジネス成果とアクションの3つのつながりです。
真っ先に気にすべきは、指標とビジネス成果の関係性です。ビジネス成果とあまり関係性がない指標をいくら眺めても、なかなか成果には結びつかないことでしょう。
次に気にすべきは、指標とアクションの関係性です。指標の変化から次に何をすべきかというアクションが見えるか、ということです。アクションが見えるかどうかは、現場の人しか判断できません。
指標を作って見える化したのにビジネス成果が思うように生み出せていない! という方は、この指標とビジネス成果とアクションの3つのつながりを再確認し、成果の出る指標に変えるきっかけにしてみてはいかがでしょうか。