データ分析前の準備は非常に重要です。
どのような準備をするのかが、あなたの望んだ成果(成功)に大きく影響します。その肝になるのがメッセージの品質です。つまり、データ分析前の準備とはメッセージ品質を高める準備をするのです。
データ分析前の「準備」について全5回にわたってお話しいたします。
- その1 実りあるデータ分析とは?
- その2 メッセージの力でアクションが起きる!
- その3 誰がアクションをするのか?
- その4 いつまでに伝えなければならないのか?
- その5 分解と統合 ⇒ 今回
前回は、その4の「いつまでに伝えなければならないのか?」というお話しをしました。
今回は、その5の「分解と統合」というお話しをします。
Contents
データ分析は分解と統合を何度もする
データ収集や分析に直結するお話しをいたします。分解と統合のお話しです。
データ分析は分解と統合という操作を何度もします。
ここで「その2 メッセージの力でアクションが起きる!」で紹介した例を見てみます
これを見ても、どのようにデータを分析すれば良いのかイメージがつかないと思います。
このような時に系統図法という定分析手法を用いて分解をいたします。分解をすることで、具体的なデータまで落とし込んでいきます。
系統図法については別途詳しく説明いたします。ここでは、準備段階の系統図法について簡単に紹介します。必要なデータのイメージを明確にする系統図法です。
簡単な例を基に説明をします。
分解の例
「具体的には?」の「データ基盤構築」というポイントに絞って分解してみます。
このようにドンドン分解していきます。
この例だと、理想の人的資源を得るためには、どの程度の教育コストが必要で、新規採用とその教育のコストが幾らかというデータが必要になります。
この辺りまで分解すると必要なデータが見えてくると思います。
分解していくときのコツは、あまり考え込まないようにすることです。
分解するとき「モレなくダブリなく(網羅的かつ重複なく)」と言いますが、気にしすぎると分解が進まなくなるので、重複など気にせずどんどん分解しましょう。後で整えれば済むことです。
どこまで分解すればいいの?
具体的なデータを得られるまでどんどん分解していきます。
必要なデータのイメージがつくまで、気の向くままで分解していきましょう。データのイメージがつけば、あとはそのデータを集めるだけです。データが集まれば、データを分析することができます。
どこまで分解していくかは……
- どのようなメッセージを発信するのか?
- どのくらい時間を使えるのか?
……ということなどに影響をうけます。
どの程度の粒度のデータが必要なのかを見極めよう!
細かいデータが必要なのか、大雑把なデータで構わないのか、どの程度の粒度のデータが必要なのかを見極め分解していく必要があります。
必要なデータの粒度の見極めを外すと、無意味にどんどん分解していきます。
アリ地獄です。
そして時間を浪費してしまいます。気を付けましょう。
分解したら統合
分解だけすれば良いというものでもありません。
分解して具体的なデータに落とし込んでも、なかなかアクションには結びつきません。
アクションに繋げるために、分解して明らかにしたデータを使いデータ分析を実施しその結果を統合していくのです。
統合は、準備段階の話ではなくデータ分析時の話しのため、現在の準備段階では実施しません。ただ、分解するときに、データ分析の結果を統合していくイメージを念頭に置いておくと良いでしょう。
統合の例
ここで少しだけ説明します。
例えば、内作(自社で開発)でデータ基盤を構築できるかどうか分析します。
まず、内作のコストを分析します。
現状と理想を比較した結果、現社員の能力が高く新規採用をするよりも現社員教育だけのほうが、コストが安く済むことが分かりました。内作であれば教育というアクションになります。
次に、内作か外作(外注)かという分析をします。俗に言う、内外作区分の問題です。
現状と理想を比較した結果、社内業務に精通している社員だけで構築したほうが、時間的にもコスト的にも良いことが分かりました。
理想のデータ基盤を構築するのであれば内作化するというアクションになります。
分解のし過ぎに注意しよう!
どんどん分解すると、データの精度は良くなり、結果的にメッセージ品質も高まります。
しかし、分解しすぎると納期の関係から統合の時間が足りなくなります。統合の時間が足りないと統合の品質が悪くなります。
統合の品質が悪いと有効なアクションに結びつきません。メッセージ品質が悪くなります。
データ分析でよくありがちな現象です。
色々分析したけど、単に分析しただけで終わってしまう。具体的なアクションに結びつかない。
それは、分解するだけして統合を怠っているからです。スケジューリングには十分に気を付けましょう。
STEP1「準備する」の総括
ここまで5回にわたって、データ分析前の準備についてお話しいたしました。
データ分析前の準備は非常に重要です。
どのような準備をするのかが、あなたの望んだ成果(成功)に大きく影響します。その肝になるのがメッセージの品質です。つまり、データ分析前の準備とはメッセージ品質を高める準備をするのです。
データ分析前の「準備」について全5回にわたってお話しいたします。
- その1 実りあるデータ分析とは?
- その2 メッセージの力でアクションが起きる!
- その3 誰がアクションをするのか?
- その4 いつまでに伝えなければならないのか?
- その5 分解と統合
データ分析前の準備は非常に重要です。
どのような準備をするかで、データ分析の結果があなたの望んだ成果(成功)になるかどうかに大きく影響します。
その肝になるのがメッセージの品質です。つまりメッセージ品質を高める準備をするのです。
「メッセージ」「納期」「データ収集のための系統図」を準備段階で明確にします。
そして、一連のデータ分析をする中で、常に意識するだけでアクションに繋がるデータ分析を実現できることでしょう。
次回
次回では、データの集め方についてお話しいたします。STEP2の「集める」のその1の「データソースの種類」です。
もっと知りたい方はこちら
14のフレームワークで考える かんき出版 (2014/9/18) |