「見える化」をすれば何とかなる、ということはありません。
日販や受注件数、コンバージョン数などの指標や、データ分析した結果を見ただけで、何かしら成果が出るほど、データ活用は簡単ではありません。
指標やデータ分析結果は、極論を言えば数字の羅列です。そこから何かアクションを起こせと言われても、多くの場合難しいでしょう。数字の羅列から、何をすべきかを見るには、それなりの経験が必要かもしれませんし、センスが必要かもしれません。
そんな数字の羅列を丸投げされたビジネスの現場では、ただただ困惑するばかりです。具体的に、誰が何をすればよいのかが分からない。ではどうするか?
手っ取り早い対処法は、無視すること。
要するに、データ分析結果は見ない。見ても、ちらっと見る程度。一言で言うと、活かされないデータ分析結果になる、とうことです。
データ分析をしたのにビジネスの現場で活かされない、そんな原因の一つが……
「で、具体的に何をすればよいの?」
……という一言に集約されることでしょう。
今回は、「で、具体的に何をすればよいの? 分析結果を丸投げされ困惑する現場の人々」というお話しをします。
結果はわかるけど、何をすればよいの?
データ分析組織を立ち上げても、即座にビジネス貢献することは少ないようです。
実際、分析結果を手渡されても、多くの現場では困惑するばかりのようです。現場が理解できない分析結果を渡すのは論外ですが、仮に、分析結果が現場で理解可能であっても、多くの現場では困惑することは少なくありません。
現場から……
「結果はわかるけど、何をすればよいのかが見えない」
……と言われることもあります。
折角、現場の人が分析結果を理解してくれたのに、その結果をもとに何をすればよいのか分からないようでは、動きようがありません。
データ分析した側の切なる願いとして……
「そこは現場で考えて!」
……というのもあるかもしれませんが、それは単なる願いにしかすぎません。
現場で考えることは稀で、多くの場合は考えたくありません。なぜならば、面倒で、先行きが見えず、経験もないからです。
ところで、誰がやるの?
「何をすればよいのか分からない」と思われる要因にはいくつかあります。
その一つが……
「誰がやるのか?」
……ということです。
正直、現場では「余計な仕事が増える」と感じることに対し、「誰がやるのか?」は大問題です。
確実にビジネス成果を得られるという確証が得られれば、積極的にやる人も出てくるかと思いますが、データ分析で十分なビジネス成果が出ていない段階では、非常に大きな壁です。
データ分析した側の切なる願いとして……
「そこは現場で考えて!」
……という願いもあるかもしれませんが、それは単なる願いにしかすぎません。
データ分析側と現場で一緒になって解決すべき問題です。
このとき、
- 若手だから……
- 暇そうだから……
- ITが得意そうだから……
みたいな感じで、押し付けるようにして、決めるとよくありません。
一番良いのが、一番成果の出やすい人です。多くの場合、
- それなりの実績があって……
- 仕事のスピードが速く忙しそうで……
みたいなエース一歩手前ぐらい、もしくは同期の中で抜きんでている人になります。意地でも成果をだしてくれることでしょう。
データ分析で初めて成果を出すには、意地でも成果をだすぐらいの気概がないと、結構厳しいです。とはいえ、サクッと成果のでることもありますが…… それは単なるラッキーに過ぎません。
確かにそうだけど、どうすればよいの?
データ分析の結果を活かすために動く人が「誰なのか」が決まっても、現場動きません。
データ分析者が可哀そうという哀れみや、データ分析者との人間関係から、動いてくれる人もいるかもしれませんが、それは単なるラッキーです。
なぜ動けないのでしょうか?
仮に動こうとしても、どう動けばよいのか分からないからです。
データ分析した側の切なる願いとして……
「そこは現場で考えて!」
……という願いもあるかもしれませんが、それは単なる願いにしかすぎません。
今までやったことのない動きをしろ! というからには、一緒に考えるべきです。
例えば、高校の数学のテストで50点以下しか取れなかった人に対し……
「あなたは、最低でも90点とるように頑張ろう!」
……と言われても困ります。
なぜならば、数学で90点以上の得点を取るための学習方法が分からないし、そもそもやったことないからです。
つまり、データ分析を現場に丸投げするとは、「50点以下は問題だから、最低でも90点の得点をとれ!」と言っているのと一緒です。
そのために、具体的に何をすればよいのかが分からないので、「何かしたほうがよさそう」ということが分かっていても動けないのです。
分析結果と現実をどうすり合わせるか?
ではどうすべきか?
答えは簡単です。色々な解決策があるかもしれませんが、多くの場合これで解決できます。
データ分析を活用する前の、現場の人の「ビジネスプロセス」もしくは「業務プロセス」を、ざっくりでもよいので洗い出し整理しておけばよいのです。
これだけで、結構動いてくれるようになります。
なぜでしょうか?
どの業務のときに、データ分析の結果を活用すればよいのかが見えるからです。
逆に見ると、データ分析を活用するにしても、今まで通りでよい業務がどこかが見える、というのもあります。
つまり、どこが変化し、どこが変化しないのか、ということが見えるので、動きやすくなる、ということです。
さらに、変化する業務プロセスは、どのように変化するのかを明確にしておく必要があります。
データ分析した側の切なる願いとして……
「そこは現場で考えて!」
……という願いもあるかもしれませんが、それは単なる願いにしかすぎません。
そこも、一緒に責任をもってデータ分析者が考えて検討し整理していく必要があります。
今回のまとめ
今回は、「で、具体的に何をすればよいの? 分析結果を丸投げされ困惑する現場の人々」というお話しをしました。
分析結果を手渡されても、多くの現場では困惑するばかりです。何をすればよいのかが見えないからです。そして無視されます。
仮に、分析結果が理解されても……
「何をすればよいのか分からない」
……と思われたら、そのデータ分析はビジネスで活かされません。
「何をすればよいのか分からない」と思われる要因にはいくつかあります。その一つが、「誰がやるのか?」です。
データ分析者の多くは「現場で考えて決めてくれ」と心の中で思うかもしれませんが、現場ではなかなか決めれません。データ分析者が一緒になって考え決める必要があります。ほったらかすと、いつまでも決まらない。
最初の第一歩は、意地でもビジネス成果をだせるような人が適任です。意地でも成果を出す必要があるからです。間違っても面倒だからと、新人や若手に押し付けてはいきません。
データ分析の結果を活かすために動く人が「誰がやるのか?」が決まっても、現場動きません。正確には、動けないことが多いようです。
なぜ動けないのでしょうか?
それは、動こうとしても、どう動けばよいのか分からないからです。今までやったことのない動きをしろ! というからには、一緒に考えるべきです。
つまり、データ分析を現場に丸投げするとは、「高校の数学のテストで50点以下しかとったことのない人に、それは問題だから、最低でも90点の得点をとれ!」と言っているのと一緒です。
そのために、具体的に何をすればよいのかが分からないので、「何かしたほうがよさそう」ということが分かっていても動けないのです。
ではどうすべきか?
色々な解決策があるかもしれませんが、「業務プロセス」を明らかにする、という解決策で多くの場合解決できます。もちろん、すべてではありませんが。
なぜ解決できるのでしょうか?
それは、今までの業務のどの部分がどのように変わるのかが見えるからです。
データ分析そしているのに、今一つビジネス成果が出ないな、とお思いでしたら一度試してみてください。