第115話|データ分析・活用には進化の順番がある。最初は「効率化」で次は「多様化」

第115話|データ分析・活用には進化の順番がある。最初は「効率化」で次は「多様化」

今あるデータで何をするか? これから取得するであろうデータで何をするのか?

データ分析・活用を本格したい! と考えたとき非常に大きな問題でしょう。

そもそも、手段であるデータ分析・活用ありきであること自体、可笑しなことですが、このようなケースは多々あります。

今回は、「データ分析・活用には進化の順番がある。最初は『効率化』で次は『多様化』」というお話しをします。

最初は「効率化」

データは過去の記録です。

過去の記録が適切に蓄積されていれば、過去の行動の良し悪しが分かります。

良し悪しの一つが、その行動が効率的であったかどうかです。同じ成果を得られるならば、効率的なほうがいいでしょう。

データを活用するとき、この効率化が最も取り組みやすく、そして成果も見えやすく、分かりやすいかと思います。

例えば、ECサイト。

ECサイトは通販ビジネスを効率化したものでしょう。言い方を変えれば、便利にしたものでしょう。

昔は、通販カタログという本を眺めながら、買いたいものを選び、ハガキなどに記載したり、電話したりし申し込んでいました。

Amazonや楽天などのECサイトが登場したことによって、状況は一変しました。非常に便利なのです。

購入者にとっても、販売者にとっても、非常に便利なのです。

便利すぎて、多くの人は通販カタログではなく、ECサイトで商品を購入するようになりました。さらに、通販カタログで商品を購入していなかった人も、ECサイトを通じて通販で商品を購入するようになりました。

どのくらい便利かというと、商品を探すのに検索すればすぐ見つかります。通販カタログは本をめくって探す必要があります。探す手間が効率化されました。

さらに、購入するときも、住所などを登録してあればログインすれば数クリックで購入できます。24時間いつでもです。

さらに、さらに送られてくるスピードも数日と早くなりました。通販カタログ主流の時代には、1,2週間が待たされました。デジタル化されたECサイト上の受注から発送までの手間が効率化されたのでしょう。

そのことによって、企業体力のない小規模事業主でも、通販ビジネスに参入できるようになりました。

これらはデータ化され、適切に活用されていて、初めて実現されます。

次は「多様化」

データ分析・活用の第一弾は「効率化」です。先ず、データ分析・活用を始めようと考えたら、最初にすべきは、この効率化です。

効率化の次に来るのが、「多様化」です。

Amazonや楽天などのECサイトは何が凄いのでしょうか? それは多様なニーズに応えているからです。

単なるECサイトは、画一的なものです。

通販カタログが画一的です。ライフスタイル別にカタログを分けても、10種類もいかないことでしょう。

しかし、Amazonや楽天などのECサイトは違います。

その人の商品の閲覧履歴や、買い物かごへの投入履歴、そして購買履歴から、ECサイトが個人ごとにカスタマイズされます。

これが多様化です。

通販カタログをECサイト化しただけでは、購買行動や受注発注処理などが効率化され便利になっただけですが、データを上手く活用することで、多様化させることができます。

要するに、最初は「効率化」で次は「多様化」というわけです。

ここまで来ると、従来と違うな! という感じになるのではなないでしょうか。

効率化の先の多様化で差別化する企業

実際に、効率化の先の多様化で差別化した企業をご紹介します。

真っ先に思い浮かぶのは、Googleの検索エンジンです。

Yahooなどのポータルサイト全盛の時代、Googleの検索窓のサイトはシンプル過ぎました。

Yahooなどのポータルサイトはどちらかというと、画一的です。基本、サイト訪問者に対しほぼ同じ情報を提供します。

Googleの検索窓のサイトはどうでしょうか? トップケージは味気ないですが、検索キーワードを入力し検索すると、その個人の流したい情報がランキング方式で表示されます。多様化されています。

Facebookは、検索しなくてもその人にあった情報が、勝手に流れてきます。勝手に流れてくると言っても、友達関係のある人の情報ですが…… 少なくとも、利用者一人ひとり違う情報が流れてきます。まさに、多様化です。

とは言え、効率化さえできていないのに、いきなり多様化から始めるのは大変です。

今あるデータで何をするか? これから取得するであろうデータで何をするのか? と考えたとき、効率化から考えたらいいのではないかと、思います。

すでに効率化された何かがあるならば、データを活用しどう多様化するのかを考えると面白いと思います。

今回のまとめ

今回は、「データ分析・活用には進化の順番がある。最初は『効率化』で次は『多様化』」というお話しをしました。

データの活用を考えたとき、もっともやりやすいのが効率化です。

データは過去の何かしらの記録なので、不効率な過去を反省し改善するのに向いています。効率化できたら、次に多様化を考えるといいのではないかと思います。

多様化とは、データを活用し個々人に応じて何かしらサービスを提供する、というものです。

例えば、Amazonや楽天などの多くのECサイトは個々人に応じて、サイトを変えています。従来の通販手段である通販カタログであできないことです。これが多様化です。

最近、好調なIT系企業のいくつかは、このデータを活用した多様化で差別化しているのではないかと、私は思います。例えば、GoogleやFacebookなどです。

何はともあれ、今あるデータで何をするか? これから取得するであろうデータで何をするのか? となったら、最初は「効率化」で次は「多様化」という順番で考えトライしてはいかがでしょうか。