第131話|データ分析・活用やデータサイエンス実践の成否は、技術力よりもチーム力

第131話|データ分析・活用やデータサイエンス実践の成否は、技術力よりもチーム力

最近ビジネス界隈で聞く叫び声です。

  • 「AI(人工知能)だ!」
  • 「IoT(モノのインターネット)だ!!」
  • 「ビッグデータだ!!!」

経営層や管理層などのエライ人になると、叫ぶ言葉も次のように変わることもあります。

  • 「我が社はゲーム・チェンジャーになるぞ!」
  • 「よし、デジタル・トランスフォーメーションだ!」
  • 「とりあえず、データビジネスで収益拡大だ!」

一体何が起こっているのでしょうか。

今、産業革命の第4の波が押し寄せ「第4次産業革命」が起こっていると言われています。

第4次産業革命では、データサイエンス技術は不可避です。

ところが、大企業になるほど、データ活用の成功確率が下がるとも言われています。

今回は、「データ分析・活用やデータサイエンス実践の成否は、技術力よりもチーム力」というお話しをします。

産業革命

第4次産業革命というからには、すでに3回も産業革命が起こっていたことになります。

第1次産業革命は、「工業革命」とも呼ばれた、欧州や米国などで18世紀半ばから起こった工業化の波です。教科書に必ず登場する産業革命です。

第2次産業革命は、1900年ごろまでに起こった産業革命です。キーワードとしては、電気、大量生産、トーマス・エジソンあたりでしょう。

第3次産業革命は、「デジタル革命」とも呼ばれ、小型化した情報端末(パソコンや携帯電話など)やインターネットなどが中心的役割を演じました。まだ続いているという人もいます。

そして第4次産業革命です。

第4次産業革命

第4次産業革命は、AI(人工知能)やIoT(モノのインターネット)、ビッグデータなどによる産業革命です。

具体的にどのような産業革命なのか、それは誰もまだ分かりません。

なぜならば、今生きている現在の人類である我々が、自ら創造していくものだからです。

十分なデジタル化への対応がなされていない企業

やばい! うちの会社、社長はAI化と叫んでいるけど、そもそも全然デジタル化されていない……

確かに、十分なデジタル化への対応がなされていない企業や行政機関、組織も多いかもしれません。

例えば、デジタル化すれば楽なのに、いまだに発注書のフォーマットをプリントアウトして必要事項を手で記載しFAXで送信みたいな業務は少なくないかもしれません。

デジタル化への対応が不十分な中、次の波が押し寄せるのですから大変です。

そのよう中、不思議な職種の人財がにわかに注目を集めるようになりました。

「データサイエンティスト」(AI/機械学習エンジニア含む)です

データサイエンティストに対し、多くの人は次のように思うかもしれません。

  • 「自分には関係ない!」
  • 「勝手に頑張ってくれ!!」
  • 「変なのが湧いてきたな……」

周囲から見れば「数学に強い人が、コンピュータを使い、データをこねくりまわしている」そんな感じでしょう。

ときには魔法使いかのように期待されたり、ときには変人(ちょっと変わった人)のように敬遠されたりします。

データサイエンティストがやっていることは20年来変わらない

少なくとも20年ぐらい前から、データサイエンティストのような職業はありました。

呼び名は色々ありますが、やっていることは同じようなことです。

データを分析したり、システムに組み込む数理モデル(異常検知や予測モデル、最適化モデルなど)などを構築したり、そのためのアルゴリズムを研究開発しコンピュータプログラムで実装したりしているだけです。

データサイエンティストが足りない

このような中、データサイエンティストの不足が叫ばれています。

なぜでしょうか。

それは、「AI(人工知能)だ!」「IoT(モノのインターネット)だ!!」「ビッグデータだ!!!」と叫ばれるこの時代、必要不可欠だからです。

第4次産業革命が本格化するにつれ、さらに必要になることでしょう。

しかし、データサイエンティストだけで、第4次産業革命の波を乗りこなし高みを目指すには無理があります。

データサイエンスのビジネス実践で重要なポイント

データサイエンスのビジネス実践で重要なポイントがあります。

それは、今も昔も変わりません。

それは、「データサイエンティストだけでは何もなしえない」ということです。

理解者が必要です。

一緒に物事を進める人が必要です。

特別な人財ではなく、データサイエンスの理解ある普通のビジネスパーソンが必要なのです。

技術力よりもチーム力

データサイエンティストだけでも、AI(人工知能)やIoT(モノのインターネット)、ビッグデータなどに対し、何かしら取り組むことはできると思います。

しかし、「我が社はゲーム・チェンジャーになるぞ!」「よし、デジタル・トランスフォーメーションするぞ!」「とりあえず、データビジネスで収益拡大だ!」というところまで到達するのは至難の業です。

では、どうすればいいのでしょうか。

技術力よりもチーム力です。つまり、仲間です。

少なくとも、以下のような人財が必要になります。

  • データサイエンティスト(AI/機械学習エンジニア含む)
  • データエンジニア
  • ドメインをつなぐデータサイエンスを理解している「ビジネスパーソン
  • 社内政治力のあるデータサイエンスを理解している「ビジネスパーソン
  • 社内IT専門家を仲介するデータサイエンスを理解している「ビジネスパーソン

データサイエンスを理解する普通のビジネスパーソンが必要になるのです。

今回のまとめ

今回は、「データ分析・活用やデータサイエンス実践の成否は、技術力よりもチーム力」というお話しをしました。

データサイエンティストという職業は、名称は違えども昔からありました。少なくとも20年前にはありました。
やっていることは、それほど大きく変わりません。

もちろん、技術的な進歩により、扱う道具は多少なりとも変わっていますが、データを分析したり、数理モデルを構築したり、アルゴリズムを開発したり、なんだかんだ言って、やっていることは大きく変わりません。

データサイエンスを実務で実践する上で、ある非常に重要なポイントがあります。

それは、「データサイエンティストだけでは何もなしえない」ということです。これも、昔から同じです。

それは、「技術力よりもチーム力」ということです。以下のような人財が必要です。

  • データサイエンティスト(AI/機械学習エンジニア含む)
  • データエンジニア
  • ドメインをつなぐデータサイエンスを理解している「ビジネスパーソン
  • 社内政治力のあるデータサイエンスを理解している「ビジネスパーソン
  • 社内IT専門家を仲介するデータサイエンスを理解している「ビジネスパーソン

ここで重要になってくるのが、データサイエンスを理解する普通のビジネスパーソンです。肝です。

来たるAI時代、データサイエンスとは何なのかを理解し、ひとりのビジネスパーソンとしてデータサイエンスを活用できる人財が求められています。