第141話|データを利益に変えるシンプルな方法

第141話|データを利益に変えるシンプルな方法

データをいくら活用しても、財務的に良い方向に向かっているとは思えない!

財務的に良い方向とは、売上アップ・コストダウン・利益アップなどが目に見える形で現れることでしょう。

要は、「円(¥)」として成果が明確に示されることです。

今回は、「データを利益に変えるシンプルな方法」というお話しをします。

生産効率・業務効率

そのような中、データ活用で上手くいっている多くの企業は、生産効率・業務効率などの効率化で成果を上げています。

実際、そのようなデータもあります。

一般財団法人 商工総合研究所『中小企業のIT活用』(2016年)によると、データ活用で成果を上げている企業の63.1%が、生産効率・業務効率で成果を上げています

生産性

生産性は、「生産性=アウトプット÷インプット」で計算されます。

アウトプットは売上であったり、生産量であったりします。インプットはお金であったり時間であったりします。

この生産性の数値の上げ方は2つあります。

  • アウトプットを大きくする
  • インプットを小さくする

アウトプットを売上、インプットを投資金額とすれば、生産性を上げるには、売上を増やすか、投資金額を減らすか、ということになります。

アウトプットを生産量、インプットをサイクルタイムとすれば、生産性を上げるには、生産量を増やすか、サイクルタイムを短くするか、ということになります。

いきなり売上や生産量を増やすのは難しい

データで、いきなりアウトプットだけを大きくする(売上アップや生産量増など)のは難しいケースが多いです。

例えば、データを使うだけで、いきなり生産量を増やすことは至難の業です。

売上も同様です。データを使うだけで、売上を増やすことは至難の業です。

では、どうすればいいでしょうか?

先ずは、データを使いインプットを小さくしよう

データで、インプットだけを小さくする(コストダウンや時間短縮など)ほうが、アウトプットを大きくする(売上アップや生産量増など)よりも、簡単なケースが多いです。

例えば、データを使い、生産量をできるだけ減らさずに、サイクルタイムを短縮することは、比較的やりやすいです。

実際に、生産現場の改善活動の一つとして実施されています。

売上も同様です。売上をできるだけ減らさずに、販促コストを減らすことは、比較的やりやすいです。

コストパフォーマンスの悪い販促施策を見つけ、コストパフォーマンスの高い販促施策に、販促投資を振り分ければいいからです。

簡単な例

例えば、販促手段Aに10億円投資していたが、販促効率が2倍の販促施策Bに投資を振り分けることを考えます。

5億円を販促手段Bに振り分ければ、売上は維持されます。

残りの5億円は、カットしても問題ありません。要は、アウトプットを減らさずに、インプットを減らすことができます。

要は、先ずはデータを使いインプットを小さくし、生産効率・業務効率を高めましょう! ということです。

生産効率・業務効率を高めたらアウトプットを大きくする

生産効率・業務効率を高めたら、次にアウトプットを大きくすることを考えましょう。

生産性は、「生産性=アウトプット÷インプット」ですので、「アウトプット=生産性×インプット」です。

非常にシンプルな話で、生産効率・業務効率が非常によい状態で、インプットを大きくすることで、アウトプットを大きくしましょう、ということです。

簡単な例

例えば、アウトプットが「100」で、インプットが「50」だったとします。

このとき生産性は、「100÷50」なので「2」です。

アウトプットを減らさずインプットを小さくし、生産効率・業務効率を高めることに成功したとします。

インプットが「20」まで減らさえたとします。

このとき生産性は、「100÷20」なので「5」です。

つまり、生産性が「2」から「5」になったのです。

この生産性の状態で、インプットを「60」に増やします。

そうすると、アウトプットは「5×60」なので「300」になります。

今回のまとめ

今回は、「データを利益に変えるシンプルな方法」というお話しをしました。

データをいくら活用しても、売上アップ・コストダウン・利益アップなど、財務的に良い方向に向かっているとは思えないという声も、ちらほら聞きます。

そのような中、データ活用で上手くいっている多くの企業は、生産効率・業務効率などの効率化で成果を上げています

データを利益に変えるシンプルな方法とは、先ずデータを使い生産効率・業務効率などの効率化を実現し、次に生産効率・業務効率が高い状態で売上や生産量などを大きくすることを考えましょう! ということです。

なぜならば、いきなり売上や生産量を増やすのは難しいためです。