第183話|修羅の道を歩むデータサイエンティスト。いばらの道で傷だらけになる

第183話|修羅の道を歩むデータサイエンティスト。いばらの道で傷だらけになる

世の中不思議なもので、確実な足元に転がっている幸福よりも、存在するかどうか分からぬ桃源郷を目指すケースが少なからずあります。

データ分析・活用(データサイエンス実践)の世界も同様です。

目の前に転がっている成果の出やすいテーマを足蹴にし、成果の出にくいテーマを追い続けているケースが多々あります。

今回は、「修羅の道を歩むデータサイエンティスト。いばらの道で傷だらけになる」のお話しをします。

テーマ選びの2つの軸

データ分析・活用(データサイエンス実践)のテーマを選ぶとき、例えば次の2つの軸で考えていきます。

  • 容易性(難易⇔容易)
  • インパクト(小⇔大)

容易性(難易⇔容易)は、データ分析・活用(データサイエンス実践)の実現の容易性です。

データが取得しやすいのか、分析しやすいのか、現場で容易に活用してくれそうなのか、という3つの視点があります。

インパクト(小⇔大)は、よくあるのが利益の額です。他には、コストダウン額の大きさや売上の額の大きさなどです。

筋のいいテーマ

筋のいいテーマとは、容易かつインパクトの大きいテーマです。

夢のようなテーマです。

このようなおいしいテーマを、データ分析・活用(データサイエンス実践)すべきテーマたるもの、難易度の高いテーマでなければならない、といった感じの理由で、やらないでほったらかしにしているケースも少なくありません。

不思議なことです。

筋の悪いテーマ

筋のいいテーマとは、先ほどの筋のいいテーマの真逆で、難しいのにインパクトの小さいテーマです。

悪夢のようなテーマです。

このような悪夢なようなテーマにチャレンジし、なかなか成果を出せないケースもたまに見受けられます。

恐ろしいことです。

いばらの道で傷だらけになる

大企業の中で、急にデータサイエンティストを集め作った組織でよくあるのが、難しくインパクトの大きなテーマを選び苦労しているケースです。

容易かつインパクトの大きい筋のいいテーマがあるにも関わらずです。

不思議なことです。

なえ敢えて難しいテーマに挑み、傷だらけになりながら、途中でやめることもせず、続けているケースもあります。

よくよく話しを聞いてみると、「データ分析・活用(データサイエンス実践)すべきテーマたるもの、難易度の高いテーマでなければならない」といった感じが背景にある不思議な選択です。

同じぐらいのインパクトであるならば、容易なテーマな方がいいはずです。

そこを敢えて、難易度の高いテーマを選ぶのですから大変です。

意外とおいしい

意外とおいしいテーマは、容易だがインパクトの小さなテーマです。

小粒ですが、容易なためすぐに成果が出ます。

小さいな成果も、塵も積もれば山となる、ということで、それなりの成果になります。

しかも、簡単ですぐ成果がでるため、データ分析人財(データサイエンス人財)を育成するのに好都合です。

今回のまとめ

今回は、「修羅の道を歩むデータサイエンティスト。いばらの道で傷だらけになる」のお話しをします。

世の中不思議なもので、確実な足元に転がっている幸福よりも、存在するかどうか分からぬ桃源郷を目指すケースが少なからずあります。

データ分析・活用(データサイエンス実践)の世界も同様です。

目の前に転がっている成果の出やすいテーマを足蹴にし、成果の出にくいテーマを追い続けているケースが多々あります。

大企業の中で、急にデータサイエンティストを集め作った組織でよくあるのが、難しくインパクトの大きなテーマを選び苦労しているケースです。

容易かつインパクトの大きい筋のいいテーマがあるにも関わらずです。

データ分析・活用(データサイエンス実践)すべきテーマたるもの、難易度の高いテーマでなければならない、といった感じの選択です。

同じぐらいのインパクトであるならば、容易なテーマな方がいいはずです。

最初に選ぶべきは、容易かつインパクトの大きなテーマ、次に選ぶのが容易だけどインパクトの小さなテーマです。

難易度の高いテーマに挑むためにデータ分析・活用(データサイエンス実践)があるわけではありません。

成果を上げられなければ、そのデータ分析・活用(データサイエンス実践)に価値はありませんし、価値があるものだと認めてもらえません。

データ分析・活用(データサイエンス実践)のテーマ選びは、存在するかどうか分からぬ桃源郷を目指すよりも、確実な足元に転がっている幸福を優先させた方がいいでしょう。