最近大きな注目を集めているイノベーションの 1 つが、生成AI(Generative AI)です。
生成AI は創造的な限界を押し広げることを可能にし、さまざまな業界に広範囲に影響を与えるのではないかと、期待されています。
ただし、想像もつかない潜在的リスクも懸念され、積極的な措置を講じる必要があることでしょう。
何はともあれ、生成AI は計り知れない可能性を秘めた素晴らしい魅力的なものです。
多くの人が感じているかもしれませんが、何となくハリウッド映画のマトリックスの世界へ向かっている気さえします。
今回は、「生成AI(Generative AI)とは何か? ハリウッド映画のマトリックスの世界へ」というお話しをします。
Contents
自律的にリアルなデータを生成する
AIの脳である機械学習のモデルは、データを与え学習することで構築されます。
生成AI(Generative AI)は、簡単に言うと「学習データとよく似たデータを自律的に生成するAI」です。
ビジネス用途で多い需要予測や異常検知のためというよりも、学習データによく似た、画像や動画、自然言語、音楽などの新しいコンテンツを生成します。
もちろん、使い方によっては、需要予測や異常検知などを実現することにも利用できるでしょう。
今現在の生成AIのアウトプットは、問に対し回答をしたり、選択肢を提示したりすることはあっても、意思決定をすることはありません。
どうするかは、人に委ねられています。
深層学習(ディープラーニング)で構築
技術的には、多くの生成AI(Generative AI)は、深層学習(ディープラーニング)モデルを活用しています。
深層学習(ディープラーニング)モデルの中でも、トランスフォーマーや敵対的生成ネットワーク (GAN) 、変分オートエンコーダー (VAE) 、Diffusion Modelなどの技術が使われています。
特に自然言語モデルの分野では、BERT (Bidirectional Encoder Representations from Transformers)や GPT (Generative Pre-trained Transformers)などのトランスフォーマーで構築された大規模言語モデル(LLM:Large Language Model)に注目が集まっています。
生成AIを使った、おもしろ新サービスが増えそう
生成AIそのものを開発するという動きが注目されていますが、これからは生成AIを組み込んだサービスの開発も活発化することが予想されます。
最近話題のGPTでお話しします。
GPTはあくまでも過去データ(少なくとも最新の情報は取り入れられていない)で作られます。
できるだけ最新の情報も取り込んでGPTに回答させるサービスを作りたいと考えたとき、例えば、LangChainを使うと実現できます。
ちなみに、LangChain は GPTなどのLLM (大規模言語モデル)を活用したサービス開発するときに必要な機能をまとめたライブラリーです。
他には、データ拡張(Data Augumentation)のライブラリーであるLlamaIndex(旧、GPTIndex)もLLMを活用したサービス開発には欠かせないでしょう。
LlamaIndexを使うと新しい情報をGPTに与えることができ、それを考慮した回答をGPTがすることができるようになります。与える情報は、テキストでもHTMLでもPDFでもパワポでも構いません。
例えば、過去の社内データを与えれば、それに対する回答をGPTはしてくれます。
なんか難しそうぉ~ と思われるかもしれませんが、このようなことは、実はPythonで意外と簡単に実装できます。
要は、GPTを活用したサービスを生み出すための道具が、ぞくぞく登場もしくは進化中です。
創造性の限界を押し広げる
各個人の創造的な活動に、生成AI を取り入れるとどうなるでしょうか。
個人の創造性の限界を押し広げそうな予感がします。
創造する作品に容易に多様性と、作成時間の短縮などをもたらすことができ、結果的に質が向上しそうなことが想像できるのではないでしょうか。
ただ、だんだん似たり寄ったりのアート作品が量産される懸念があります。
人間の役割は、適切なバグを生成AIに与えることなのかもしれません。
遺伝的アルゴリズムを組み込ませ、突然変異を適時与え続けることで、見たことのないアート作品を生成AI自ら生み出すことも可能かもしれません。
製品開発の変革
創造性の限界を押し広げるということは、製品開発プロセスに変革をもたらす可能性があることに繋がります。
商品コンセプトのアイデアのブレスト、その設計から、そのための市場リサーチもしくはその手段の提示などができそうなことは、容易に想像が付きます。
過去の大量の開発データがあれば、設計の目的と制約、材料特性、性能要件などを渡すことで、多くの設計代替案を生成できるようになるかもかもしれません。
さらに、顧客の好みに応えたパーソナライズされた製品を提供できるようになるかもしれません。
気持ちのいい世界(サービス)を作る
特に、デジタル上のサービスであれば、顧客の好みに応えたパーソナライズされたサービスを提供することは、非常に容易でしょう。
例えば、顧客データや市場データなどを活用することで、顧客のニーズや好みに合わせたカスタマイズされたサービスを複数設計し、どれが一番良さそうかをテストし、顧客満足度と収益の最大化を実現できるかもしれません。
顧客にとって気持ちのいい世界(サービス)を、生成AIを活用することで提供しつづけるということです。
既に、Webサイトなどのデジタルなものはパーソナライズされているものもありますが、それらが加速するイメージです。
ハリウッド映画のマトリックスの世界
こう考えると、ハリウッド映画のマトリックスの世界に近づいているかのようです。
ネットの世界に没入し人生の幸福度を感じる人がいるように、生成AIにより生み出されたデジタル空間に没入し幸福度を感じる人がいることでしょう。
デジタル空間上の、AIに左右される人生を歩む人も、でてくることでしょう。
すでに、SNS上には人間でないBOT(ボット)が一定数定住し、実際に選挙結果を左右できるとも言われています。
今回のまとめ
今回は、「生成AI(Generative AI)とは何か? ハリウッド映画のマトリックスの世界へ」というお話しをしました。
最近大きな注目を集めているイノベーションの 1 つが、生成AI(Generative AI)です。
生成AI(Generative AI)は、簡単に言うと「学習データとよく似たデータを自律的に生成するAI」です。
そのことが、創造的な限界を押し広げることを可能にし、さまざまな業界に広範囲に影響を与えるのではないかと、期待されています。
すでに、幾つかの興味深い生成AIがリリースされ、そして、それらを活用した新しいサービスが人の手によって創造されています。
個人の好みに応えたパーソナライズされた気持ちのいい世界(サービス)を提供しそうな予感がします。
既に、Webサイトなどのデジタルなものはパーソナライズされているものもありますが、それらが加速するイメージです。
その行き着く先が、何となくハリウッド映画のマトリックスの世界なのではないかと、感じてしまいます。
何はともあれ、生成AI は計り知れない可能性を秘めた素晴らしい魅力的なものです。