最近、BI(ビジネスインテリジェンス)ツールを導入する企業が増えています。
BIツールそのものは昔からありますが、最近ではTableauやQlik Sense、Power BIなどが有名です。Power BI Desktopであれば、無料で使えます。
そもそもBIツールとは何でしょうか。魔法の箱でも杖でもありません。
BIツールを導入したからと言って、データ活用が進むわけでも、DX(デジタルトランスフォーメーション)が実現するわけでもありません。
では、何が実現されるのでしょうか。
今回は、「BI(ビジネスインテリジェンス)ツールとは何?」というお話しをします。
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BI(ビジネスインテリジェンス)ツール
BI(ビジネスインテリジェンス)ツールを一言で言うと、「素人でも使えるデータと対話するための、高度なデータ分析のできないツール」です。
デスっているわけではありません。
はっきり言って、BIツールで高度なデータ分析はできません。
その代わり、素人でも使えます。素人でも使えるということは、玄人でも使えるということです。
要は、みんなが使えるデータと対話するツールです。
BIツールを使いデータと対話しながら、データの声に耳を傾け、みんなで現場のインサイトを導き出しアクションに繋げるために使います。
要は、何かしらのアクションに繋げられなければ、BIツールの価値はないということになります。
データに基づいた企業文化を作ることができる
データ分析やデータサイエンス、機械学習などは、一部の高度なスキルを持った人だけのものでした。
この高度なスキルを持った人が、必ずしも「データ活用の現場」の経験があるわけでも現場に詳しいわけでもありません。
「データ活用の現場」とは、経営であれば経営現場であり、生産であれば生産活動であり、マーケティングであればマーケティング業務であり、営業であれば営業活動のことです。
一方、「データ活用の現場」にいるビジネスパーソン(経営者や生産部署の人、マーケター、営業パーソンなど)に目を向けると、必ずしも全員が高度なデータ分析スキルなどを持ち合わせているわけではありません。
では、データ活用を実現するには、どうすればいいでしょうか?
データ分析スキルなどの高低に関係なく、データと対話するツールがあると便利です。それがBIツールです。
端的に言うと、「データに基づいた企業文化を作ることができる」可能性があるということです。
あくまでも可能性にすぎません。
データ可視化(データビジュアライゼーション)は必須スキル
データ分析の素人も玄人も、同じ土俵で一緒にデータと対話するためには、単に数字の羅列を見ただけでは非常に難しいです。
そのため、BIツールではデータ可視化(データビジュアライゼーション)が大きなポイントになります。
データ可視化(データビジュアライゼーション)の善し悪しが、データとの対話の善し悪しに直結します。
データ可視化(データビジュアライゼーション)とは、数字の羅列をグラフや表などで効果的に伝えるための手段です。
良いデータ可視化(データビジュアライゼーション)とは、そのグラフや表などを見ただけで、読み手に対し大きなインパクトを与えられるものです。
2016年6月号の米ハーバード・ビジネス・レビュー「Visualizations That Really Work」で、データ可視化(データビジュアライゼーション)はマネジャーの必須スキルと言い切っています。
Microsoftが無料で提供するPower BI Desktopは、このようなデータ可視化(データビジュアライゼーション)を可能にするBIツールの1つです。
しかも、BIツールはExcelが使える人であれば使えるぐらいのものです。
Power BIの位置づけ
Gartner社から2020年にBI分野の調査レポート「Magic Quadrant for Business Intelligence and Analytics Platforms」が出ています。
このレポートの中で、各BIツールが比較されています。
大きく4つにBIツールが分類されています。
- Leaders(リーダー)
- Visionaries(ビジョナリー)
- Challengers(チャレンジャー)
- Nitch Players(ニッチ)
Microsoft(=Power BI)がTableauとともにリーダーとして位置づけされています。
要は、Power BIとTableauが現在のBIツールの2トップです。
BIツールの変遷
先ほど、BIツールは昔からあると言いました。昔のBIツールは第1世代に位置付けられています。
今メインのBIツールは第2世代です。Power BIとTableauなどです。現在、第3世代のBIツールが出始めています。
各世代を言葉で表すならば……
- 第1世代は「高度なスキルも持つ人材」
- 第2世代は「一般的なスキルを持つ人材」
- 第3世代は「人と機械の融合」
第1世代・第2世代は「人」、第3世代は「人の機械の融合」という感じで、現在は第2世代と第3世代の中間点にあると言われています。
現在は第2世代と第3世代の中間点にあるということは、第3世代がどういうものか誰も分からないっということです。そのため、「人と機械の融合」という表現が間違っているかもしれません。今後が楽しみです。
何はともあれ、現在は第2世代隆盛の時代です。その中で、Microsoftが無料で提供するPower BI Desktopは、最も敷居の低いBIツールです。
2つのPower BI
MicrosoftのPower BIにはいくつかの種類があります。
Power BIの細かい構成は都度変わるので、ここでざっくり2種類のPower BIを説明します。
- Power BI Desktop
- Power BI Service
Power BI Desktopとは、個人PCにインストールし使うデスクトップアプリケーションです。
無料で使えます。
色々なデータソースを読み込み、そこでデータを結合したり変換したり集計したりグラフ化したりし、さらに集計結果のグラフや表などをまとめたレポートを行うことができます。
Power BI Serviceとは、Power BI Desktopなどで作成したレポートをみんなで共有するためのクラウド環境で、ブラウザを通し簡単なデータ分析をすることができます。基本有料です。
無料で使えるPower BI Desktopだけで十分色々なことができます。
次回
BIツールは、とにかく「習うより慣れろ」の精神です。
次回は、Power BI Desktopを使うための準備つまりインストール方法について説明します。